いじめ対策をテーマに私たちスクールガーディアン事業部と、SNS見守りアプリ「Filii」を提供するエースチャイルド株式会社がそれぞれの取組みを紹介するコンテンツです。
いじめ匿名通報アプリ 「Kids’ Sign」
Filii -世界とつながる時代のこどもセキュリティ-
<バックナンバー>
平成27年度版「自殺対策白書」(内閣府調べ)によると、18歳以下の子どもの自殺については夏休みなど長期休暇の明ける時期、特に9月1日前後に突出して多く見られるとの報告があります。自殺の原因や実態の把握はますます難しくなっており、「家庭や学校で子どもの微妙な変化に注意し、周囲に悩みを打ち明けやすい環境を作ることが重要」とし、文部科学省は、子どもの見守りや自殺をほのめかす書き込みなどのネットパトロールの強化を呼びかけています。
2015年10月にアディッシュ株式会社/スクールガーディアン事業部がリリースした「Kids’ Sign」は子どもがいつでもいじめを匿名で通報できる学校に寄り添ったサービスです。
2007年~2012年頃までは、ネットいじめや学校裏サイトのような問題が、電子掲示板やプロフサイトという誰もが見れる場所を中心に発生していました。そのためネットパトロールを強化することが防止の一翼を担うことにつながりました。ところが2013年以降は、問題が個人間のメッセージアプリなど、外部からは見えない場所へと変化しつつあります。そこで私たちは、まずは声をあげやすい環境を整えようとKids’ Signが生まれました。
校内告知用のポスター
「友だちの様子がいつもと違っていた」「いじめを目撃した!」などKids’ signでは不安を抱える子どもが、スマートフォンを使っていつでも相談できるように既にいくつかの学校との取組みを強化しています。Kids’ Signから寄せられた相談は、緊急性を判断し、即時性のある内容のものは学校へ報告、それ以外のものは報告書として学校に通達されますが、実際に導入している学校からは、この報告書を教員間で即日共有し対象生徒への事実確認を行ったことで、「匿名通報でも直ぐに学校が対応する」という認識が生徒に浸透した、との声が聞かれました。
Kids’ Signを広めていくために現在は学校現場での協力のもと、校内告知ポスターを用いて、生徒や保護者にお悩み匿名相談WEB窓口として、その存在を幅広く通知することで、いじめ行為の抑止につなげていければと考えています。
Filiiはエースチャイルド株式会社が提供する「データ分析でネット上の危険から子どもを守る」サービス。代表の西谷氏が、子どもがいじめを苦に自殺してしまったニュースを見たことに衝撃を受け、事態を少しでも回避したいとの思いで開発され、2013年11月にβ版の提供を開始しました。
最近では、2016年4月から同年7月にかけてのちょうど1学期の期間中に、千葉県柏市へ実験的な導入を行っていました。ネットトラブルはリアルのトラブルに密接に関連しているため、休み明けの自殺防止という観点も含め、現在も地域との連携を強化しながら進めています。
柏市では児童・保護者等への啓発セミナーの際、ネットトラブルを防ぐ三本柱として、「家庭でスマホの使い方のルールを決める」「間違った使い方をしないように設定をしておく」「Filiiを使って危険なやり取りを検知する」を推奨しており、Filiiは子どもを守るために保護者にも寄り添っているのが特徴です。
キャリアショップ、家電量販店での販売と並行し、店舗によっては「子どものスマホ導入教室」や「子どもスマホなんでも相談窓口」も実施されています。夏休みということもあり、子どもにスマホを持たせる保護者の悩みや疑問が多数寄せられています。
Filiiを導入された方のサポートとしてアプリ、Webサイトからの問い合わせを受け付けており、原則24時間以内の回答をしていただけるのも心強いです。
利用者拡大の進む格安スマホにおける子どもたちの安全を守る取組みとして、一部の格安スマホへ、セキュリティパックの構成製品として選定いただくなどしています。
先日も総務省・青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備に関するタスクフォース(第2回)にてテレコムサービス協会様から格安スマホ導入について紹介いただき、子どもがスマホ・SNSを利用することが当たり前になってきている現状に即した対策として徐々に認識が高まってきている状況です。
<参考リンク>
青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備に関するタスクフォース(第2回)
MVNOにおけるフィルタリングの取組み(テレコムサービス協会 提出資料)
Kids’ Signは学校に対して、Filiiは保護者に対して、それぞれがいじめ対策の強化を図ることで、問題の減少につながればと考えています。