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【成年年齢引き下げ】その影響とは

2022.05.26

2022年4月1日から民法が改正され、成年年齢が20歳から18歳に変わりました。
この引き下げから早1ヶ月ほど経ちましたが既に18歳〜19歳の間でさまざまな影響がでてきているようです。
「副業」や「マルチ商法」などの儲け話や「クレジットカードの契約」等、お金に関わるトラブルが目立ちます。
今回は、4月からの成年年齢引き下げによって、どのような影響が既に起こっているのかについてご紹介します。

成年年齢はなぜ引き下げられたのか?

これまで日本では「20歳」が成年年齢でした。少子高齢化が進み働く人が減ってきているという現状もあり、若者に早く社会参加してもらい、社会に活力を与えたいというねらいがありました。世界的には成年年齢を18歳とする国が多く、日本でも「憲法改正に関する国民投票の投票権が18歳」と定められ、平成28年には「公職選挙法が改正され投票できる年齢が18歳に引き下げられる」など、重要な判断に18歳から参加してもらおうという動きが進められてきました。

こうした流れの中で、基本的なルールを定める民法でも、18歳以上を「大人」として扱うべきではないかと議論されるようになりはじめたことから、今回の民法改正に至ったようです。

変わること、変わらないこと。

成年年齢が引き下げられたことにより、これまで20歳にならないとできなかったことが、18歳からできるようになりますが、一方で変わらないこともあります。

変わること 変わらないこと
・保護者の同意なしでさまざまな契約が可 能になる(クレジットカード、ローン、 携帯電話の契約など)

・裁判員に選ばれる

・年齢制限のある資格取得(公認会計士、 司法書士など)

・性別変更の申し立て(性同一性障害)

・女性の結婚できる年齢

(16歳から18歳に引き上げ)

・有効期間10年のパスポート取得

・飲酒や喫煙

・公営ギャンブル(競馬や競輪など)

・国民年金に加入する義務が生じる

 

よくある消費者トラブル

成年年齢引き下げにより、できることが多くなった今、既に18歳から19歳の間でさまざまなトラブルが起きています。

国民生活センターが公表している、成人となる18歳と19歳に特に気をつけてほしい消費者トラブル「最新10選」はこちらです。
1)’’副業・情報商材やマルチなどのもうけ話トラブル’’

2)’’エステや美容医療などの美容関連トラブル’’

3)’’健康食品や化粧品などの定期購入トラブル’’

4)’’誇大な広告や知り合った相手からの勧誘などSNSきっかけトラブル’’

5)’’出会い系サイトやマッチングアプリの出会い系トラブル’’

6)’’デート商法などの異性・恋愛関連トラブル’’

7)’’就活商法やオーディション商法などの仕事関連トラブル’’

8)’’賃貸住宅や電力の契約など新生活関連トラブル’’

9)’’消費者金融からの借り入れやクレジットカードなどの借金・クレカトラブル’’

10)’’スマホやネット回線などの通信契約トラブル’’

引用:独立行政法人 国民生活センター

18歳から“大人” 18歳・19歳に気を付けてほしい消費者トラブル 最新10選

URL:https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220228_1.html

 

こうしたトラブルは、主にSNSの広告や口コミ、紹介が発端となっており、契約・購入などのトラブルが最も多く最終的には「お金」が絡むことに繋がり注意が必要です。

よくあるトラブルの事例は?

前述したトラブルに沿って、いくつか例をご紹介します。

トラブル
もうけ話 『チャットで相談にのるだけ』というアルバイトをネット上で見つけ副業サイトに登録したら個人情報の交換のためと称して有料の手続きを次々求められ、10万円近く支払ってしまった。
美容関連 二重まぶたの手術で『手術当日に化粧できる』などという宣伝を見て、カウンセリングを申し込んだらその日のうちに手術することになり、術後1週間腫れがひかなかった。
定期購入 動画サイトで500円と宣伝していたダイエットサプリメントを1回のつもりで注文したところ定期購入契約が条件となっていて、解約料5000円を請求された。
出会い系 SNSで知り合った相手から出会い系サイトでのやりとりを持ちかけられサイトを利用したところ、必要な費用としてあわせて16万円を請求され、解約もできない。
異性・恋愛関連 相手の恋愛感情を利用して、高額な商品を購入させる悪質商法で、中には強引に借金をさせられる。
仕事関連 芸能事務所の面接で『所属すれば確実にテレビ番組に出演できる。入会金が5万円かかるが仕事をたくさん紹介する』などと説明され契約したが仕事の話が一切ない。
新生活関連 引っ越し当日に急に業者が現れ『管理会社から紹介された。荷物を入れる前に工事を行った方がよい』などと防かび工事を勧められおよそ6万円払ったが、管理会社への確認でウソだと分かった。
借金・クレカ 大学のオンライン授業のためリボ払いでパソコンを購入し、1年以上たって利用明細を確認したところ、支払い残高がおよそ30万円と思ったより高額になっていて、クレカの仕組みを理解していなかった。
通信契約 業者から『今より料金が安くなる』などと説明され光回線契約を変更したら、以前より高くなった。
SNS 全てのトラブルの発端が、SNSの広告や知り合いがきっかけだった。

引用:NHK

URL:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220329/k10013535591000.html

 

国民生活センターは、困ったとき「消費者ホットライン」の「188」にかけて相談してほしいと呼びかけています。

まとめ

今回は成年年齢引き下げによる影響についてご紹介しました。トラブルの発端は、SNSがきっかけで広告や口コミで知ることが多く、「契約・購入・ローン」等のお金に関わるトラブルが特に多くなっており注意が必要です。

簡単に稼げる、と強調する広告や勧誘を鵜呑みにせず、慌ててその場で契約しないことがトラブル防止にはとても重要になってきます。親や知人にまずは相談をして、本当に今必要なのか、しなければいけないのかを整理し、必ず解約の条件も確認してから契約を進めるなど細心の注意を払うことが大切です。

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