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不適切動画投稿のその後(炎上事例)

2021.05.18

今年に入り、不適切動画の投稿による事件が、何件か出てきました。
過去にも、「バカッター」や「バカスタグラム」、「バイトテロ」と呼ばれる不適切動画の投稿が流行った時もありましたが、このような動画の投稿は続く傾向があります。
そのため、再度学校での注意喚起の参考になる記事を紹介します。

2021年の不適切動画の投稿事件

2021年の1月~4月には、次のような事件がありました。

 

産経新聞:エスカレーターでカート落とし女性に当て動画撮影 少年を書類送検
https://www.sankei.com/affairs/news/210225/afr2102250024-n1.html

 

産経新聞:調理場での悪ふざけ動画拡散 大分、焼き肉店のバイト解雇
https://www.sankei.com/affairs/news/210416/afr2104160004-n1.html

 

2019年に「バイトテロ」と呼ばれる不適切動画の投稿が流行り、連日ニュースで取り上げられていたのにも関わらず、上記の2つの記事のような、動画の撮影が行われ投稿されてしまいました。

事件を起こしてしまった後の負債

では、このような「不適切動画の投稿」をすると、その後はどのようになるのでしょうか?

 

東洋経済オンライン:くら寿司「悪ふざけバイト」の告訴に広がる波紋
https://toyokeizai.net/articles/-/265397

 

東洋経済オンラインの記事には、次のような事が書かれています。

① 投稿された動画は、「拡散」や「コピー」がされる

投稿された動画は、顔が写っていることがほとんどの為、「拡散」や「コピー」された動画にも、モザイク等で編集されずそのまま残ります(ニュース等ではモザイク編集されますが、インターネット上には、顔や名札がそのまま写っています)。
慌てて投稿した動画を削除しても、消えるのは「投稿者のアカウントページのみ」で、インターネット上では残り続けます。

 

② 不適切行動を取った人の個人情報が特定される

写っている動画や投稿者の過去の投稿から、個人が特定されていきます。
2021年4月:その写真や動画の投稿、大丈夫?投稿前にもう一度確認を!」に記載がある通り「特定屋」と呼ばれる人もいるので、想像以上に速く特定されます。

 

③ 不適切行動を取った人の属している団体へのクレーム

生徒の場合は学校に、勤務者であれば企業にクレームが入ります。
「バイトテロ」のように、店舗等で行った場合は、その店舗のブランド評価が低下する危険性もありますし、過去には休業や閉店した店舗、倒産した企業もあります。

 

④ 不適切行動を取った人への負債

生徒の場合は学校による懲罰、勤務者であれば企業による懲罰が与えられます。
過去には、停学や退学、解雇の事例も多くあります。
また、刑事事件として起訴されたり、民事として高額の損害賠償を請求された事例もあります。
特に、2019年の「バイトテロ」以降は、企業としての対策も強化されており、法的措置の対象になる事が増えています。

 

⑤ その後も続く負の影響

顔が写っている動画や個人情報がインターネット上では残っているため、「就職取り消し」や「就職ができない」、外出ができない「引きこもり」になってしまうケースもあるようです。

 

ソーシャルメディアやインターネット上のトラブルは、消えずにいつまでも残り続ける危険性があります。

不適切動画の投稿事件を起こさないためには

このような不適切動画を撮る背景には、どのような心情があるのでしょうか?

 

JIJI.COM:【図解・社会】「不適切動画」が撮影、投稿された最近の主な例(2019年2月)
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_company20190216j-02-w670

 

JIJI.COMの記事には、次のような事が書かれています。

・「ネットは公の場所」という認識の欠如
・「仲間に存在を認めてほしい」という心理的欲求

使い始めは、「ネットは公の場所」という認識があるものの、使っているうちに「フォロワー」や「仲間内」だけに発信している気持ちになってくるケースがあります。
クローズドのソーシャルメディアでも、時間限定のソーシャルメディアでも、「ネットは公の場所」という事を定期的にお伝えする必要はあるようです。

また、「仲間に存在を認めてほしい」という心理的欲求を満たすものとしての「不適切動画の投稿」は、逆効果という認識を深める必要があります。
「不適切動画の投稿」はその後の負債も多く、投稿したアカウントをそのまま使うことは不可能になるため、かえって「承認欲求」を満たすことができなくなります。
 

他にも次のような記事もあります。

働く人の心ラボ:「バイトテロ」の不適切動画について心理学的に考えてみた
https://blog.counselor.or.jp/business_p/f196

 

働く人の心ラボの記事には、次のような事が書かれています。

・ いたずらされた企業へのアピールが多少なりとも含まれている

賃金などに不満があり、いつ辞めてもいいと思っているからこそいたずらを仕掛ける。「尊敬」までいかなくても、勤め続けたいと思わせれば、こんないたずらも起きないというわけです。

と書かれています。

学校という視点では、「通う事の楽しさ」や「学校で得られるメリット」、「卒業後の未来への希望」等をイメージさせることも、「不適切動画の投稿」の抑止に繋がる事かもしれません。
 

働く人の心ラボの記事には、他にも、次のような事が書かれています。

・ 群衆倫理で暴走した

問題となった動画は、インスタグラムの機能である「ストーリーズ」にアップされたものです。24時間で消える動画ということもあり、仲間内で楽しむものとして撮影されたのでしょう。仲間内の群集心理がネットを介して小さな「祭り」を生み出したのかもしれません。

こうした「お祭り」状態になった集団を、冷静にすることはなかなか難しいようです。基本的には群集心理が起こる前に、小さな問題行動をしっかりと把握し注意することが重要なようです。

と書かれています。

群衆心理が起こる前に、普段の生活や、ソーシャルメディアの投稿において、小さな問題行動をインターネットパトロール等で早期に発見し、注意する必要があります。
 

他にも、

・ 罪悪感による抑止力が高い

一緒に居た仲間や働いている店、損害賠償を請求される可能性のある親、あるいはお客様に申し訳ないと思えば、自ら悪ふざけを止めることができるのです。

と書かれています。

単に「不適切動画の投稿はダメ」だけではなく、その行為で被害を受ける人や学校、店舗やその店舗の利用者をイメージさせて、その行動に対する罪悪感を認識していただくことも抑止に繋がるようです。

「不適切動画の投稿」は一時的な負債で終わるものだけではなく、投稿者は将来に渡って影響を受けてしまいます。
子どもたちに一度伝えたとしても、継続使用しているうちに、その危険性に対する意識も薄れていきます。
そのため、定期的に繰り返し注意喚起をする必要があります。

 

※なお Web サイトについては、2021年5月6日に掲載されているものを参照しています。

私たちは、対策としてネットパトロールを提供しています。

ネットトラブルに巻き込まれることを未然に防ぐ対策として、弊社ではネットパトロールのサービスを学校・自治体へ提供しています。ネットパトロールは、子どもたちの被害を防ぐため検索・監視を行い、学校非公式サイト等やSNSの不適切投稿の早期発見に繋げています。個人情報流出やネットいじめや、出会いや犯罪等に繋がる恐れのある投稿をいち早はやく学校関係者へ報告し、その対策について総合的に支援するコンサルティングサービスです。

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