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AI生成画像の「楽しさ」と「危うさ」を考える

2025.11.04

TikTokやInstagramなどのSNS上では、AIが作り出した写真やアニメ風の画像を目にする機会が増えています。友人との写真を「ジブリ風」に加工したり、推しとのツーショットを生成したりするなど、生成AIによる画像加工は子どもたちの間でも日常的な遊びとなりつつあります。しかしその一方で、写真のアップロードに伴うプライバシーのリスクや、フェイク画像による誤解・トラブルも深刻化しています。
今回は、SNSで流行するAI画像加工の実態と、その裏に潜むリスクについて考えます。

身近になったAI画像加工

いまや、生成AIによる画像加工は、特別なスキルがなくても誰でも楽しめる時代になりました。Geminiなどの画像アップロード機能を備えたAIや、スマートフォンのカメラアプリを使えば、数秒で自分の写真をまったく別の雰囲気に変えることができます。

こうした「AI加工」は、TikTokやInstagramなどのショート動画や投稿を通して自然に広がり、多くの生徒にとって身近なものになっています。背景には、AIツールの進化とSNS上での拡散スピードの速さがあります。アプリ内で撮影した写真をワンタップで加工できる手軽さや、友達と共有して楽しめる「見た目の変化」の面白さが人気を後押ししています。

実際に中高生の間では、次のような使い方が話題となっています。

・髪型や服装のシミュレーション
自分の写真をAIに読み込ませ、指示をすると髪型や服装を変えた姿を生成してくれる。「イメチェンの参考にする」使い方が広がっている。

ジブリ風やビックリマンシール風への変換
自分や友達の顔をアニメやレトロなシール風のキャラクターに変換し、SNSでシェアする。リアルな写真をそのまま投稿することに抵抗がある場合でも、イラスト風にすることで気軽に共有できるようになっている。

・推しとのツーショット画像の作成
AI画像生成サービスに推しの写真と自分の写真をアップロードし、まるで本当に一緒に写っているような画像を作成する。

AI生成画像が抱えるリスク

気軽に楽しめるAI画像加工ですが、その裏には見過ごせないリスクも潜んでいます。ここでは、AIでの画像生成における代表的な3つのリスクを紹介します。

①加工の過程で生じるプライバシーの危険

AI画像加工サービスの多くは、利用者がアップロードした写真をもとに画像を生成します。このとき、自分や他人の顔写真、背景に写り込んだ場所などの情報が、AIの学習データとして保存・利用されることがあります。

特に海外の無料AIサービスでは、利用規約の中に「アップロードされた画像を学習や商用利用に使うことがある」と明記されているなど、気づかないうちに自分の写真が第三者に利用されるリスクがあります。

さらに、一度アップロードした画像は削除できないことも多く、「ネット上に半永久的に残る可能性がある」点にも注意が必要です。TikTokやInstagramなどで流れてくる「AIで変身してみた」動画のような投稿も、軽い気持ちで参加する前に、どんなサービスを使っているのかを確認することが大切です。

②SNS投稿による肖像権・著作権トラブル

生成したAI画像をSNSで共有する際にも、肖像権や著作権の侵害につながるおそれがあります。本人の同意なく容姿を撮影・利用すると、その方法や目的によっては肖像権の侵害と判断されることがあります。性的な合成や信用を落とすような偽発言を伴う画像は、名誉毀損やプライバシー侵害に該当する恐れがあります。

例えば、友人の顔を無断でAIにアップロードしたり、芸能人との「ツーショット画像」を生成して投稿したりする行為は、他人の肖像を勝手に使っていることになります。「遊びのつもり」でも、本人が不快に感じたり、権利者から削除要請を受けたりするケースも実際に起きています。

公の場に投稿するときは「AIによる創作物」と明記する、本人の同意が取れている(承諾がある)場合に限り投稿するなど、トラブルを避ける工夫が必要です。

③フェイク画像が引き起こす混乱

AIによる画像生成は年々精度が上がり、本物そっくりの偽物を簡単に作れるようになりました。そのため、SNS上では「実際には存在しない出来事」や「誰かを貶める偽画像」が拡散し、混乱を招くケースも増えています。

TikTokやInstagramなどのSNSで、AIが作った画像なのに本物だと信じてコメントしている投稿を見かけることもあります。だからこそ、AIで作られたものかもしれないと一度立ち止まり疑う態度を身につけることが大切です。

見かけた情報を鵜呑みにせず、「本当にあったことなのか?」と一度立ち止まって確認する習慣を持ちましょう。

AI生成画像と上手く付き合っていくために

AI画像は使い方次第で創造的な表現の手段にもなりますが、便利である一方で、無意識のうちにトラブルや危険に巻き込まれてしまうこともあります。安全にAI画像と関わるために意識したい3つのポイントを紹介します。

 

・個人が特定されるような情報はアップロードしない

AI画像生成サービスを使うときは、自分や友達の顔写真をそのままアップロードすることに慎重な態度が求められます。一度アップロードした画像は、サービス側のサーバーに保存され、削除できなかったり、AIの学習に使われたりする可能性があります。

「かわいく加工したい」「流行ってるからやってみたい」と思っても、自分を特定できる情報が写っている写真は避けることが安心です。

TikTokやInstagramで流行している「AIで変身してみた」のようなフィルターも、どんなアプリがデータを扱っているのか確認してから使うことが大切です。

・利用規約を確認する

AI画像生成サイトやアプリを使うときは、利用規約を一度チェックしておきましょう。特に次の3つは重要なポイントです。

・商用利用ができるかどうか(作った画像を仕事や販売に使ってよいか)
・画像の権利は誰にあるのか(自分にあるのか、運営側にあるのか)
・作成した画像を他の人が再利用できるか(公開すると他人も使える設定になっていないか)

規約をすべて読むのは大変ですが、「利用目的」や「権利」「データの扱い」などの見出しだけでも目を通しておくと安心です。

・情報リテラシーを身に着ける

SNS上には、AIによって生成されたフェイク画像が本物のように拡散されていることがあります。特に最近は、芸能人や有名人の「存在しない写真」や「偽の発言」が出回ることも少なくありません。

いいねやコメント、拡散をする前に、一度立ち止まって本物かどうかを考えることが大切です。写真の出どころ(投稿元)は信頼できるか、他のニュースサイトや公式アカウントでも同じ内容を発信しているかなど、「一度立ち止まり疑う力」はフェイクニュースやデマに惑わされないための第一歩です。

まとめ

今ではAI画像加工は身近な存在となり、表現の幅を広げたり、友達と楽しんだりできる魅力的なツールとして広く親しまれています。その一方で、見過ごせないリスクもあります。自分が画像を生成するときも、SNSで生成された画像を見るときも、AIについて正しく理解する「情報リテラシー」が求められます。

生成AIを上手に活用するためには、便利さの裏にある危うさを理解し、慎重に行動する姿勢を持つことが大切です。

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