試合での活躍がテレビや新聞で報道され、ネットニュースでも話題になる。プロを目指す高校球児にとっては喜ばしいことでしょう。
一方で、今まで普通の生活を送ってきた高校生が世間の注目を浴びるとき、必ずとも良いことばかりがささやかれるわけではありません。今までは誰も気に留めなかったようなことまで批判するような声も出てきます。
ソーシャルメディアでの炎上時に、過去の投稿から余罪が次々と見つかり、火に油を注がれるという流れはもはやお決まりですが、「高校野球での活躍」という、良いことをきっかけに集めた注目でも、ソーシャルメディアでの炎上時と同じように、過去の投稿を遡ってチェックする人が出てきてもおかしくありません。
ネットパトロールを行う中でも、「●●選手のソーシャルメディアアカウント教えてください」と言った書き込みを見かけることもあります。
それまでは周りの親しい友達に向けて書いていたつもりのソーシャルメディアが、一晩にして世間の多くの人の目に触れることになります。試合に向けた練習で忙しいこととは思いますが、大きな試合の前に、ソーシャルメディアの投稿を見直す、公開設定を見直すことも、大事な試合に向けた準備の一つと言えるかもしれません。
最近は、twitterやInstagramなどのソーシャルメディアが流行し、匿名掲示板などあまり使われていないのでは、と思われる方も多いかもしれません。ところが、毎年この時期になると、高校野球関連の掲示板や、特定の学校を応援する掲示板などが未だに盛り上がりを見せています。
普段から、ネットパトロールで野球関連の掲示板をパトロールすることも多いスタッフに、掲示板の書き込みの傾向を聞いてみました。
甲子園出場校で、過去に体罰や暴行事件など不祥事があった場合、その事を持ち出してくる投稿者によって誹謗中傷がされ、掲示板が荒れていますね。また、ピッチャーなど、注目選手は話題に上がることが特に多いですが、匿名掲示板では、選手だけでなく、その保護者までが標的にされ、掲示板内で叩かれているのも見かけます。
そんな書き込みを見かねた人が擁護の書込みをすると、生徒や学校関係者だと言われ、更に荒れてしまうというのがお決まりの流れになっています。不快な書き込みを見ても反応せずに、静観するのが良いのかもしれません。
また、応援席にいるチアリーディング部の生徒が盗撮され、チアガール専用の掲示板などで画像が晒されています。一部のチアリーディング部に関しては、ストーカーまがいの行動も見られ、部員が立ち寄った店の情報まで書き込まれていることもあります。そこまで注目が集まってしまっているような場合は、移動の際に大人たちが同行するなど、見守ってあげて欲しいです。
一躍有名になった生徒のソーシャルメディアアカウントが大勢の人の目に触れる。有名生徒に関して、なりすましアカウントが大量に作られる。チアリーディング部の生徒の盗撮写真が出回ってしまう。
夏の風物詩、青春の一ページ、日本中が注目する夏の高校野球ですが、ソーシャルメディアでの注意点も多々見えてきました。
本当は、ソーシャルメディアでの発言、話題にされることなど気にせず、野球だけに集中できたら幸せなのかもしれませんが、これからの高校球児たちは、ソーシャルメディアでの発信にも気を配っていくことからは逃れられないでしょう。
発信内容に気をつけながらも、どんどんソーシャルメディアを活用していく選手が出てくるのも、今の時代に沿っているようで、また少し楽しみでもあります。今年の夏の高校野球も、良い形で注目を集め、活躍をしていく選手が多く出ることを願っています。