最近、「文化祭・学園祭の集客手段として生徒がTwitter等のSNSを運用したいとの声があるが、どのような対策をすべきか」との相談を先生方からよくいただくようになりました。SNSはイベントの情報発信等において、非常に便利で有効な手段になりますが、不特定多数の人が見ることができる点においては、やはり注意が必要です。今回は校内でSNSを運用する際の注意点をまとめましたので是非ご活用ください。
校内行事の告知をSNSで行う場合は、使用するアカウントは個人のものではなく、行事用のアカウントを作成し、実行委員等、生徒を限定して担当を設けることが望ましいです。告知内容は集客が目的となるケースでは、多くの学校情報が投稿内容に含まれます。投稿前に必ず先生のダブルチェックを入れ、先生と生徒の間で投稿内容をお互いに把握しておくことが大切です。例えば、プログラム等の投稿に関しては、当日まで非公開にしている内容を投稿しては楽しみが半減してしまいますので注意が必要となります。
また、アカウントの切り替えミスにも気を使う必要があります。以前、個人用のアカウントで投稿する内容を行事用のアカウントから投稿してしまい、学校に苦情が寄せられてしまったというケースもありました。投稿前にアカウントに間違いがないかも、必ずご確認ください。
写真や動画はSNSの顔と呼ばれるほど、掲載において最も注意すべき点となります。悪用されたり、ストーカー等の事件に繋がる可能性があるため、個人の情報を特定が可能な顔写真や制服の写真は極力使用しないことをお薦めします。文化祭のポスターや出し物の写真のみ掲載可とする等、各学校様の方針にあったルールを設けることが大切です。
生徒が行事用のアカウントをフォローする際、個人アカウントのプロフィールに学校名やクラス等の個人情報が記載されていると、外部の人が行事用のアカウントからフォロワーを辿った際、簡単に在校生の情報が知れ渡ってしまいます。在校生がフォローする際は個人のアカウントには個人情報を載せずに、鍵をかけて非公開の状態にしてフォローする等の指導が必要です。
以下にTwitter運用時のチェックリストを記載しております。ご参考までにご覧ください。
Twitterの特性理解
・書き込む前に、「ひと呼吸」置き、内容を見直す
・「拡散しやすく、拡散したら削除できない」 と心得る
アカウント登録時の注意
・「ツイートに位置情報を追加」 が(必要に応じ)解除されているか?
・アカウントID/PWの公開範囲を制限しているか?
投稿時の注意
・個人の政治的・人種的・宗教的主張が含まれていないか?
・他人を中傷する内容ではないか?
・未公開・校外秘の情報は含まれていないか?
・他人のプライベートを侵害する内容ではないか?
・私用アカウントと、会社アカウントを使い間違えていないか?
炎上事後対応時の体制づくり
・緊急連絡フローは定まっているか?
・判断責任者は定まっているか?
校内行事の告知にSNSを使用する際は、学校として体制を整えた上で運用していく必要があり、投稿する時は一呼吸を置き、内容を見直すことがトラブルの回避に繋がります。アカウント運用を安全に行うためにも上記の内容を参考に、各学校様に合わせたルールを設けることをお薦めします。
文化祭等の楽しいイベントが実施されるこの時期、生徒達によるSNSへの画像投稿が増加し、ネット上の人々から生徒達への注目が集まりやすい時期になりますので、以下の内容をご覧いただき、生徒達への注意喚起に活用いただければと思います。
掲示板では「街撮り」といって、街中を歩いている女子中高生の制服の盗撮画像を上げている種類の掲示板があります。被写体側に許可なく撮影されたものなので、掲示板運営側から画像を削除されることがありますが、「制服姿を撮影しただけ、スカートの中などいやらしい内容の撮影したわけではないのになぜ削除されたのか」と疑問に感じる「盗撮の意識のない投稿者」が増えているようです。
また、掲示板の中でも、生徒を対象にしたものだけでなく、自らが実際の制服を着用し、その画像を投稿する女装掲示板というものもあります。生徒自身に興味があるというよりも、制服自体が好きで批評をしている場合が主ですが、制服への憧れのあまり、制服着用姿で学校の近くを訪れることがあります。生徒が遭遇した際に怖い思いをする可能性もありますので、フリマアプリやオークションサイト等への制服の出品は、そのような人達の動きを助長しないためにも控える必要があります。
友人同士での制服姿をTwitterに掲載している画像をよくネットパトロール中に見かけますが、このような画像は、Twitter上で、女子中高生の画像を探し、収集しようとしている人達の格好のターゲットになってしまっています。ネット上には、お気に入りの女の子をチェックして、その子のツイートURLを掲示板に無断で掲載するような人もいます。元の画像を投稿している生徒は晒される目的でTwitterに投稿している訳ではありませんが、誰が見ているか分からない公の場では、顔写真や個人情報が分かるような投稿を控えたり、アカウントに鍵を掛ける等の対応が必要となります。