NHKの報道によると、今年4月から10月までの小中学生と高校生の自殺者は246人。昨年の同じ時期より58人増えていて、深刻な事態となっています。
▼参考記事「子どもの自殺大幅増加 コロナによる生活変化が影響か」(2020年11月25日)
この記事の中で自殺リスクを見つけるソフトを開発した専門家は、「『自殺未遂をしました』と自分から言ってくる子どもはなかなかいない。こちらが心配していることを示しながら話を聞き、情報をキャッチして、早い段階で対応することが一番大事だ。」と話しています。
このようなソフト開発のように、急増する子どもからのSOSを確実にキャッチして子どもの自殺リスクを早期に発見、対応することが今求められています。そこで注目していただきたいのがICTの活用です。
自治体を中心に導入が進んでいるSNS相談や匿名で周りの心配な人を通報するアプリ等、子どもがSOSを出すための様々なICTツールが登場していて、より気軽に早い段階で相談できるようになってきています。
では、生徒様の心理ケアに学校でICTを活用するメリットは一体どのようなものがあるでしょうか。
① 家族や学校に相談しづらい生徒を専門的なサポートにつなげることが出来る
中学生や高校生の思春期世代の子どもは、悩みがあっても周囲の人に話しづらくなってしまうという傾向があります。学校にカウンセラーを配置していたとしても、学校では相談したくない、対面での相談は苦手といった子どももいます。そうした子どものためにSNSで相談出来る仕組みを導入することで、リスクがある子どもを置き去りにすることなく専門的なサポートへつなげることが出来るようになります。学校として導入し既存のスクールカウンセラーがSNS相談も行うことで、カウンセラーの増員等をする必要もなくなります。
② 全体的な悩みの傾向や課題を定量的に把握しアクションが出来る
短時間の面談や普段の学校での様子を見ているだけでは、生徒全員の心の異変を把握することが難しい場合があります。自殺リスクというのは誰にでも起こりうることであり、普段明るい表情を見せていたとしても悩みを抱えていることがあるからです。そこで自殺リスクを診断するソフトやSNS相談のフィードバックを利用することで、学年や性別などの属性でどのような悩みが多いのかを定量的に把握することが出来ます。校内の先生方同士ですぐに共有が出来、それらのデータを踏まえて学校としてどのようなアクションをとったら良いのか考える材料にすることも出来ます。
生徒様が安心して学校生活を送るために、様々なサポート体制を整えていくことが必要になってきています。子どもの自殺を減らしていくことはもちろんですが、その前に1人1人が今どんなことを感じていて何を思っているのかに耳を傾けること、いつでも気にかけているのだということを示すことが大切です。
スクールガーディアンでは、学校向けにSNS相談や匿名通報アプリ「スクールサイン」を提供しております。トライアルでの実施も承っておりますので、サービスにご興味がございましたらぜひご相談下さい。