東京は桜の季節も終わり、コートのいらない陽気につつまれています。先生方におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。新年度の慌ただしさで、4月はあっという間だったという先生方も多いのではないでしょうか。
さて、今月は、5月に特にご注意いただきたい投稿についてと、先生方からいただいた質問にお答えする新コーナーの、2本立てでお送りします。生徒や保護者のみなさまへのお便りなどに、ご自由にご活用ください。
2016年度5月のパトロール結果を振り返ると、この時期気をつけたい投稿が見えてきました。
新年度から1か月が過ぎ、新しい環境にもだいぶ慣れてきた子どもたちですが、この時期になると学校生活に関するソーシャルメディアへの投稿が見受けられるようになってきます。制服を着用した写真や授業中の行動などの中には、個人情報や普段の生活習慣がわかる情報が含まれています。まずは、ソーシャルメディアの利用上、注意すべきことを知っておくことが必要です。
ネットに公開した情報は、友人や知人、家族だけではなく、見知らぬ人にも見られる可能性があります。その中にはネットストーカーと呼ばれる、ネットを使って他人に付きまとい、迷惑行為をしてくる人物もいます。投稿された内容から住所や学校を特定してしてネット上で晒したり、なりすましアカウントを作成し、事実とは異なる情報を流すなどの迷惑行為が考えられます。
ネット上の迷惑行為だけでは済まず、特定した情報から実際に家・学校・通学路で、待ち伏せをするといった行動をとる人物も中にはいるようです。
投稿から行動パターンを憶えられて気味の悪い思いをする可能性もあります。居眠りなどをして真面目に授業を受けていない、といった投稿を日ごろから行っている人が、ある日一日だけ投稿をしなかった際に「今日は真面目に授業を受けているんだね」と見知らぬ人からSNSに書き込まれてしまうといった例です。
ソーシャルメディアへ投稿を行う際は、個人の特定をされないように画像や投稿内容に気をつけたり、公開範囲を制限することで見ず知らずの人に簡単に情報を見せないようにするなどの心がけが必要です。
春先は不審者が多い、などと言われますが、ネット上でもその傾向を垣間見ることができます。
ネットパトロールを行っていると、生徒が痴漢に遭遇した、変質者を見かけたという投稿を見かけることが多くなりました。
調査によると、小柄な女性や学生服の小学生〜高校生、大人しそうな人が狙われやすいそうです。また、単独行動をしている女性や、声をかけて反応するような女性も性犯罪の対象になりやすいため、登下校時の行動には、注意が必要です。
参考:https://www.rankingshare.jp/rank/qqqqcuodvw
痴漢など性犯罪に対して注意をすることは必要ですが、過去には、痴漢にあったとソーシャルメディアにふざけて投稿し、炎上騒動になったという事例もあります。
痴漢の事実が第三者から確認できない状態で、相手を晒したり、不適切な発言を行うと炎上へと繋がります。悪質な場合、ネット上に投稿した本人の氏名、住所、通学先や勤務先などの個人情報が晒される事になります。
また、痴漢にあったとの訴えが嘘であった場合、虚偽告訴罪などの罪に問われたり、高額な賠償金の支払いなどが発生することもあるようです。
参考:https://lmedia.jp/2014/11/20/58646/
ソーシャルメディアなど、ネット上での発言は正しい情報を投稿するようにしましょう。
このコーナーでは、先生方からいただいた質問に、スクールガーディアンが答えていきます。
???
アフィリエイトという、ブログなどに広告を貼り収入を得るような行動をしている生徒がいるという噂があります。
「アフィリエイト」というものがどんなものなのか、収入を得るということの仕組みがわかりません。
指導の対象になるのか?問題行動になるなら、どこがどう問題になるか見当がつきません。
???
アフィリエイトというのは、簡単に言うと、
という仕組みになっています。
アフィリエイトは、サイトによっては年齢制限があるところも多いようですが、年齢制限の無いサイトであれば、高校生でも利用できるようです。
指導の対象になるかどうかは、校則との兼ねあいで、アルバイトと同じような扱いにすることも考えられます。ただし、ネット上のことで、実際にやっているのかどうか確認することが難しいため、規制を行うことも難しいかと存じます。
???
以前、SnapchatやSNOWという、一定期間で投稿が消えるSNSを教えてもらいましたが、InstagramやFacebookにもそういう機能があるのですか?
???
実は、5月8日現在、似たような機能があります。InstagramやFacebookなど、どのアプリも頻繁に機能追加のアップデートをしており、何か新しいアプリが出たり流行ったりすると、他のアプリも似たような機能を追加してくる傾向があります。
一定期間で消える投稿のスタイルをInstagramやFacebookでは「ストーリー」と呼んでいます。Instagramのストーリーは、本家Snapchatよりも使われるようになったというデータもあります。
Instagramの「ストーリー」、ユーザー数が「Snapchat」上回る–1日あたり2億人突破(CnetJapan)
今後も各アプリがどんどん新しい機能を追加してくると予想されます。それと同時に新たなトラブルも生まれるものです。スクールガーディアンでも、中高生の使い方を見守っていきたいと思います。
新コーナー「教えてスクールガーディアン!」いかがでしたでしょうか。先生方からの質問も随時お待ちしておりますので、メールなどでお気軽にお問い合わせください。
また、5月中旬には、流行のアプリ早見表の配信も予定しております。今年度もどうぞお付き合いいただけますと幸いです。