では、モザイクアプローチとはどの様な事を指すのでしょうか?
モザイクアプローチは、「一つの投稿では個人情報が特定されない状況、または個人情報が詳細までは特定されない状況でも、いくつかの投稿を合わせると個人情報が特定されてしまう状況になり、それを基にトラブルに発展してしまう事」です。
例えば、投稿した写真に写っている地域情報を確認し、それが何枚も集まる事で住所が特定されてしまうケースがあります。また、学校の行事毎に投稿をしていると学校名や所属部活、学年やクラス、最終的には名前までも、詳しく見ている人にはわかってしまうケースも少なくありません。
また、趣味の活動を細かに投稿する事で行動パターンが知られて、そこから留守のタイミングで盗難被害にあったという事件も発生しています。
「#」から数千万円を盗んだ犯罪者の巧妙な手口 | 災害・事件・裁判
今年1月、指定暴力団組員の男がLINEスタンプを自作、販売していたことがわかった。スタンプには、「アニキと一緒です」「本部です」「若いのを行かせます」「ヘッドに確認して」「本部は誰が泊まるの?」などの文言が添えられており、販売額は上限の600円に設定されていた。 …
モザイクアプローチは、ニュースやワイドショー番組でも特集されて、ソーシャルメディア関連のトラブルが発生した時には、毎回の様に出てくるトラブルですので、観たことがある方も多いと思います。
NHKのクローズアップ現代では、詳細にモザイクアプローチでの個人情報特定の流れを取り扱っていました。その情報がウェブサイト上にも載っていますので、紹介させていただきます。
あなたの”SNS投稿”が危ない ~窃盗・ヤミ金 知られざる手口~ – NHK クローズアップ現代+
関西地方に住む30代の女性です。SNS上の個人情報をもとに、100万円以上を脅し取られる被害に遭いました。 きっかけは、お金に困ったとき、ツイッター上で知り合った人に1万5,000円を借りたことでした。パートで子どもを養う女性。子どもの病気で仕事ができず生活費に困っていた時、「お金を貸します」という投稿を見つけ、軽い気持ちで申し込んだといいます。 30代 女性 …
個人情報が特定されるのは、投稿者本人だけではありません。写真や動画に一緒に写っていた方が実害にあってしまうというケースもあります。
写真や動画に共に写っている人を名前付きで紹介することで、その方の個人情報が漏れてしまう可能性もありますし、その方の生活エリアや行動パターンが公開されてしまうケースもあります。
また、ソーシャルメディアによっては、タグ付け機能もあり、投稿者が勝手にタグ付けすることで、情報が公開されるケースもあります。もちろん、勝手に写真を載せられるだけでも危険性はあります。
「フォトハラ」にご用心 SNS無断投稿、トラブルに
他人が写った画像を無断でインターネット上の交流サイト(SNS)などに公開する行為が、「フォト(写真)」と「ハラスメント(嫌がらせ)」を組み合わせた「フォトハラスメント(フォトハラ)」として問題視されている。悪意のない投稿でも相手に不快感を与えたり、実害が生じたりする恐れがあり、専門家は慎重な投稿を呼びかけている。 …
年末年始という時期から、写真や動画を撮る機会も増えますし、ソーシャルメディアに投稿する機会も増えます。モザイクアプローチやフォトハラの被害は、子供達だけではなく大人達でも多くありますので、家族や親戚が揃う機会に一度使用の仕方について話し合ってみるのも重要かと思います。
スクールガーディアンの「生徒向け講演」や「保護者向け講演」でも、この点の話をさせていただいております。私共の活用もご検討ください。