今やスマホやパソコンはどの家庭にも一台はあると言ってもいいほどに普及しており、子どもたちがネットゲームに触れる機会はごく身近にあります。
また、ネットゲームの中には専用のソフトを買う必要がなく、無料で遊べるものも多いため、子どもたちでも気軽に始めやすいという点もあります。
気軽に触れる機会の多いネットゲームには様々な種類があり、その中には暴力やギャンブルを中心とした年齢制限の設定された、子ども向けではないゲームも存在します。しかし子どもに保護者が利用しているスマホをそのまま渡していたり、年齢に合った利用制限を設定していないことにより、子どもが遊べてしまう場合もあります。
無料だから、人気だから…といった理由だけで遊ぶゲームを選んでしまうと、後々家族全員が後悔してしまうことになるかもしれません。
ネットゲームの中には最初からウイルスが仕込まれている悪意あるゲームなども存在するため、利用するときは、どのような内容のゲームなのか、開発元や配信しているサイトは信頼できるのか、といった部分を確認する必要があります。
ネットゲーム自体の安全性の確認とともに、遊ぶ場合の課金についてのルール設定や、スマホやパソコンの設定を見直すことも大切です。
子どもを含む全年齢対象のゲームであっても、ゲームを有利に進めるためであったり、ゲーム内のコレクション要素のために多額の課金を要求されることも。
また、保護者のスマホを共有している場合、クレジットカードの情報などが登録されていると、子どもでも課金が容易にできてしまい、ある日突然、何十万円という高額な請求書が届いてから、保護者が気づくという事例も発生しています。
(保護者のスマホで課金が行われていた場合、”所有者の管理責任”と判断され、返金されない可能性が高くなるので注意が必要です)
ネットゲームで発生するトラブルには、人間関係のトラブルも多く含まれます。
対戦や協力プレイなどで、今まで関わることのなかった、素性を知らない相手ともコンタクトを取る可能性があるからです。
ゲーム内で友好的に交流しているだけならば問題ないかもしれませんが、会話内に個人情報を含めてしまったり、話が弾んで実際に会おうという流れになることもあるでしょう。
ほとんどの場合、相手が成人であれば、未成年者と実際に会って交流を取ろうとは考えませんが、子どもを狙う犯罪者にとっては、ネットゲームというのは未成年者と簡単に交流できる絶好の場所でもあるのです。
ゲーム内で優しく接して子どもの信頼を得ることで、自分の欲望を満たすためだけに子どもを誘い出すという手口も存在します。
このような未成年者を狙った犯罪を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。
『ゲーム内でのプレイヤー同士の交流を禁止する』という方法も可能かもしれませんが、遊んでいるゲームの内容によっては難しい場合もありますし、子どもの動きを常に見張るということも不可能です。また、禁止していたとしても、子どもたちが保護者から見えない場所でやり取りを行う可能性もあります。
危ないからとプレイヤー同士での交流を禁止するのではなく、ゲーム内で知り合った人物と交流する場合のルールを、親子で考えて決める事が必要です。
・会話内で本名や住所などの個人情報を伝えない
・実際に会おうと言われたら、まずは保護者に伝える
・顔がはっきりと分かるような写真や、誰かに見られたら困るような写真は、相手に要求されたとしても送らない
・◯◯してくれたらアイテムをあげるよ、などと交換条件のメッセージが来ても従わない
個人情報を相手に知られることがどうしていけないのか、やり取りをしている相手になぜ会いに行ってはいけないのか、実際にゲームを遊ぶ子ども自身に、しっかりとその危険性を知ってもらうことも重要です。
ネットゲームを遊ぶことは悪いことではありません。しかし、何も考えずに遊ばせてしまうと、課金に関するトラブルが発生してしまったり、子どもを狙う第三者とつながって犯罪に巻き込まれてしまう可能性があることも否定できません。
どのようなゲームで遊びたいのか、課金やゲーム内のフレンドとのやり取りはどこまでしていいのか。
犯罪やトラブルに巻き込まれないためには、まず遊ぶ前に個人情報の扱い方や第三者との交流による危険性を保護者も子どもも理解し、そこから明確なルールを決めておくことが大切です。