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夏休みでハマる?!オンラインゲームとそのトラブル

2025.06.26

いよいよ子どもたちが待ちに待った夏休みが近づいてきました。レジャーや旅行、部活動の合宿など、思い思いの過ごし方を計画している生徒も多いことでしょう。しかし、教員の皆様の中には、長期休みに伴う生徒指導上の懸念を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、その中でも「オンラインゲーム」について取り上げます。夏休みは学校という物理的な拘束がなくなり、生徒たちは自由な時間をこれまで以上に手に入れます。このまとまった時間の中で、オンラインゲームに没頭し、依存症や課金トラブル、個人情報漏洩など、様々なトラブルに巻き込まれるケースが後を絶ちません。

「たかがゲーム」と軽く見てはいけません。なぜなら、その影響は生徒たちの健全な成長や将来にまで及ぶ可能性があるからです。

ここでは、特にゲーム依存のメカニズムや子ども達への具体的な影響にフォーカスして、教員の皆様にお役立ていただける情報を提供していきます。生徒たちが安全で充実した夏休みを過ごせるよう、今からできる準備を一緒に考えていきましょう。

なぜハマるのか、そして依存のメカニズムとは

生徒たちがオンラインゲームに夢中になるのは、いくつかの魅力的な要素があるからです。ゲーム内での目標達成やレベルアップは、現実世界では得にくい即時的な達成感や自己肯定感を与え、他のプレイヤーから認められることで承認欲求も満たされます。

 

また、ゲーム内のボイスチャット機能などを使えば、リアルタイムに友人と繋がりながらプレイできたり、時には見知らぬ人とも交流できます。現実世界での人間関係を築くことが苦手な人でも、ゲームを通じてならコミュニケーションをとりやすいと感じる子どもは少なくありません。

 

さらに、ゲームの世界は現実の悩みやストレスを忘れさせてくれる非日常体験と現実逃避の機会を提供します。特に夏休みのような自由に使える時間が普段より多くなる長期休暇期間は、日常から離れてゲームの世界に没頭しやすくなります。加えて、オンラインゲームには常に新しいコンテンツが追加され、飽きさせない工夫が凝らされているため、子どもたちは常に新しい刺激を求めてプレイを続けてしまいます。

 

しかし、こうした「ハマる」状態がエスカレートすると、「依存」へと発展する可能性があります。世界保健機関(WHO)は、2019年に「ゲーム障害」を国際疾病分類に正式に位置づけました。

 

依存とは、特定の行動や物質に対してコントロールが効かなくなり、やめたくてもやめられない状態を指します。ゲームをプレイして成功体験を得ると、脳内でドーパミンという快感をもたらす物質が分泌されます。この快感を再び得るために、人はゲームを繰り返しプレイしようとします。これは「脳の報酬系」が関係しています。また、ストレス、不安、退屈などの負の感情から逃れるためにゲームを利用する生徒もいます。一時的には感情を忘れられますが、根本的な解決にはならず、悪循環に陥ることがあります。さらに、同じ快感を得るためにより多くのゲームプレイが必要になったり、ゲームができない時にイライラしたりする症状が見られることも、依存のサインです。

 

参照(子ども家庭庁:令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)より)

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9a55b57d-cd9d-4cf6-8ed4-3da8efa12d63/fc117374/20240226_policies_youth-kankyou_internet_research_results-etc_09.pdf

 

ゲーム依存に陥った場合の影響

オンラインゲームへの過度な没頭は、以下のように子どもたちの心身や社会生活に様々な悪影響を及ぼします。

健康面での影響 睡眠不足 夜遅くまでゲームに没頭し、生活が昼夜逆転することで、睡眠の質が低下し、集中力や学習能力の低下に繋がります。
視力低下 長時間の画面凝視は目に負担をかけ、視力低下やドライアイの原因となります。
運動不足・姿勢の悪化 座りっぱなしで体を動かさないことで、運動不足になり、肥満や肩こり、腰痛などの原因になります。
学業面での影響 学力低下 ゲームに時間を取られ、学習時間が減ったり、集中力が続かなくなったりすることで、学業成績が低下する可能性があります。
精神面・社会面での影響 イライラ・集中力の欠如 ゲームができないとイライラするなど、感情のコントロールが難しくなったり、他の活動への集中力が続かなくなったりします。
対人関係の希薄化 現実世界の人との交流が減り、ゲーム内での人間関係ばかりに依存するようになることで、社会性が育ちにくくなることがあります。
金銭トラブル・詐欺被害 保護者に無断で高額課金をしてしまったり、ゲーム内で知り合った相手から詐欺に遭ったりするリスクがあります。
犯罪に巻き込まれ ゲームコミュニティで知り合った相手に誘われ、闇バイトや詐欺などの犯罪に巻き込まれるケースも報告されています。

参照(総務省 情報通信政策研究所:青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査 より)https://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2013/internet-addiction.pdf

 

生徒に伝えてほしいポイント3選

夏休み前に、先生方から子どもたちにぜひ伝えてほしい大切なポイントを3つご紹介します。

 

1.「ゲームはあくまで現実の世界の付属品」という意識を持たせる 

ゲームは楽しいものですが、現実の生活が一番大切だと伝えましょう。食事、睡眠、運動、家族や友人との直接の交流など、リアルな活動がゲームよりも優先されるべきであることを強調してください。夏休みは、ゲーム以外の新しい体験をするチャンスでもあります。

 

2.「お金と個人情報」は守るべき大切なものだと伝える

ゲーム内の課金は、保護者の許可なしには絶対に行わないこと、そして「簡単にお金が儲かる」といった甘い誘いには絶対にのらないことを強く伝えましょう。また、本名、住んでいる地域、学校名、電話番号などの個人情報は、ゲーム内で知り合った相手には絶対に教えないように指導してください。

 

3.「困ったらすぐに相談する」勇気を持たせる

もし、ゲームをやめたくてもやめられないと感じたり、ゲーム内でトラブルに巻き込まれたりしたら、一人で悩まずに信頼できる大人(保護者、先生、スクールカウンセラーなど)にすぐに相談することの重要性を伝えましょう。「言いにくいことでも、必ず助けてくれる大人がいる」というメッセージを、強く伝えてください。

終わりに

オンラインゲームは、子どもたちにとって魅力的なエンターテイメントですが、同時に多くのリスクも潜んでいます。夏休みという長い期間は、子どもたちが自己管理能力を試される機会でもあります。

 

私たち大人がこれらのリスクを理解し、子どもたちを適切に導くことが重要です。今回ご紹介した対策を参考に、子どもたちが安全で充実した夏休みを過ごし、心身ともに健やかに成長できる手助けをしていきましょう。

 

もし、子どもたちのゲーム利用に関して気になることがあれば、一人で抱え込まず、同僚や管理職、そしてスクールガーディアンへと相談してください。教職員や保護者など子どもたちの周りにいる大人が連携・協力することで、子どもたちの健全な成長を支えることができます。

 

子どもたちが情報社会を安全かつ賢く生き抜くためには、メディアリテラシーの育成が不可欠です。弊社では、オンラインゲームの危険性、SNS利用の注意点、フェイクニュースの見分け方など、多岐にわたるテーマでネットリテラシー講演を学校向けに実施しております。ご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。子どもたちがデジタル社会の光と影を理解し、情報活用能力を育むための一助となれば幸いです。

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