例年と比べて、愚痴、悩み(新型コロナウイルス関係、勉強、友人、家族に対しての発言)、第三者の投稿に対する少し攻撃的な発言(炎上ツイートへの反応)、質問箱への返答についての投稿が増えたように感じました。
新型コロナウイルス感染症にまつわる内容だと、夏休みが短縮されたことや、勉強への不安な気持ちを呟いている投稿がありました。あとは、友人の投稿を見て影響を受けてしまった、という生徒の投稿も見受けられました。
例えば、友人が旅行に行った様子をSNSにアップしているのを見た生徒の発言です。本人は、外出を自粛しており、どこにも行けないのに、そのような行動をしている友人を見ると、嫌な気持ちになってしまうというような内容でした。このように、SNSで友人の投稿を見たことで、不満を抱いてしまったという発言がありました。嫌な気持ちになった本人は、その気持ちをSNSに書きますが、そうすると今度は、旅行の写真を上げていた生徒が批判されたように感じて傷ついてしまう、ということもありえます。さらに今の時期は、外出などで人通りの多いところに出歩くような投稿は、通常と比べ注目されやすい状況にあります。身近な友人だけでなく、ネット上の人々から注目され、批判の対象にされることもありえますので、そのような写真の掲載は控えたほうが良いかもしれません。また、外出できない分、子どもたちのSNSに触れる時間は増えていますので、自分と他人の状況を比べたり、悲しいニュースを見て落ち込みやすい心理状態になっているということも考えられます。この状態を回避するためにも、意識的にSNSを見ない時間を取ったほうが良いですね。
また、生徒の攻撃的な発言も気になりました。具体的な内容ですと、先日の渋谷のクラスターデモについてです。この件については、SNS上でも批判の声が多数上がっていましたので、同じように発言したくなる気持ちもわかりますが、このような問題に対して発言することで論争に巻き込まれ、攻撃の対象となってしまうこともありえます。特に今回の件は政治的なものも関わっているので、そのリスクが高いかもしれません。気になったとしても、SNSに投稿することは控えるよう、先生方には今一度生徒達への指導をお願いできればと思います。
「コロナはただの風邪」平塚正幸 クラスターデモ行い批判殺到(女性自身) – Yahoo!ニュース
国民主権党党首の平塚正幸氏(38)が8月9日、東京都渋谷でマスク無着用の「クラスターデモ」を実施。新型コロナウイルス対策への抗議活動で、今回が10回目だという。 【写真】平塚氏は、TwitterとYouTubeで世論の反応を拡散し続けている ネットでは「クラスターフェス」とも呼ばれ、トレンド入りするほど波紋が広がっている。 …
もう一つ気になったのは、質問箱の利用についてです。家にいる時間が増えたことでSNS上で質問を募集して回答する生徒が増えたように感じます。最初は軽い気持ちで答えていたとしても、質問への回答に慣れてしまうことで、自分の個人情報を晒してしまう生徒もいるので注意が必要です。また、質問箱は匿名でメッセージを受け取るため、実名であれば言えないような内容も発言しやすく誹謗中傷の温床となりやすい一面もあります。どうしても使いたい、という場合はこれらのリスクを理解した上で利用することが必要ですね。
※質問箱とは
質問箱とは、SNS上などで匿名の質問を募るためのものです。代表的なサービスに「Peing」などがあり、Twitter上でよく利用されています。
Peing(ペイング) -質問箱- 匿名で質問を受け取ろう
※ 利用規約、 プライバシーポリシー に同意の上ご利用ください ※Instagramサインインは提供終了しました その他のサインイン方法をご利用ください SNSを使って簡単に質問を募集し、回答をタイムラインでシェアしましょう! 新規開設から24時間で、平均して4〜5件ほどの質問を受け取っています 誹謗中傷にあたる表現が含まれる質問を自動的にブロックすることが出来ます。(毎日1万件以上の質問が自動ブロック!) 3. 質問に答える(Twitterに質問画像つきで投稿できます)
先生方に注意して見ていただきたいのは、掲示板での書き込みについてです。例年と比べ、受験情報収集系の匿名掲示板で書き込みが増えているように感じています。書き込みの中には学校への誹謗中傷が記載されているものもあります。自由に外出が出来なかったり、夏休み期間が例年より短縮されたことで不満を感じやすい状況なため、その矛先をこのような匿名掲示板に向けてしまうという生徒もいるのではないかと感じています。このような書き込みは、先生方へご報告し、削除が必要と判断いただいたものは削除依頼を実施しています。しかし、削除の可否は全てサイト側の判断によるので、全てを消すことは難しいのが現状です。このような場での生徒の発言を防ぐためにも、生徒の声を拾えるよう、学校で窓口を設けていただくのも一つの手かもしれません。
以上、いかがでしたでしょうか。
例年とは異なる環境下での投稿内容から、生徒の心理状態や行動が変化している様子が見受けられました。本記事が夏休み明けのご指導にあたって、少しでもご参考になれば幸いです。