まず一番大切なことは、ルールを子どもたちと一緒に考え作る、ということです。
年齢が上になればなるほど自立心も強くなり自我も確立してくることから、大人が作り与えられるものに対して、時に反発心を覚えることがあります。
子どもたちと一緒に、なぜルールが必要なのか、どのようなリスクを考えているのか、などを伝え、子どもたちも納得したうえでお互いに「約束」することが大切になります。
「1日●時間まで」や「●時以降は使わない」といったルール設定をされることがよくあるかと思います。
スマートフォンの機能や、各アプリの設定としてそのような時間制限をかけることもできますが、抜け道も多く「なかなか守られない」といった声もよく耳にします。
なぜ、大人たちは時間制限をつけたくなるのでしょうか。いろいろな理由が考えられます。
・ゲームやSNSばかりしていて勉強しない
・もっと運動してほしい ・依存症にならないか心配 ・睡眠不足を懸念している ・視力低下などの体への影響を心配している |
子どもたちの使い方によって、懸念しているポイントも異なるかと思います。
なぜ、時間制限をつけたいのかを考えたうえで、その理由に応じた対応を考えることで、子どもたちも納得しやすくなるのではないでしょうか。
例えば、上記の例であれば、こんな対応が考えられます。
・ゲームやSNSばかりしていて勉強しない → 必ず宿題をやってからゲームする
・もっと運動してほしい → 毎日●分は一緒に運動する ・依存症にならないか心配 → 定期的に使わない/やらない日を作る ・睡眠不足を懸念している → 自室では使わない ・視力低下などの体への影響を心配している → スマホではなく大きな画面で見るようにする、30分ごとに目を休ませる時間を作る |
例えば、夜に友だちとのメッセージのやり取りが続いている場面で、「●時以降は使わない」というルールがあることが、やり取りをやめるための大義名分となることもありますし、一方で「いつもひとりだけ先に抜けて感じ悪いよね」と思われてしまう可能性もあります。
こうした場面でも、子どもと話し合い、お互いに納得できる着地点を探る過程が大切です。
デジタルが日常となっている今、友だちとのコミュニケーションだけでなく、勉強や趣味などあらゆることがスマートフォンを通して行われます。
一律に「長時間利用=悪」とするのではなく、どのような使い方をするか、自分の限られた時間をどのように使うか、ということを考えられるように促していきたいですね。
スマートフォンを使う場所を決めることは、使用にメリハリをつけるためにも大切です。
例えば、下記のようなルールが考えられます。
・リビングのみで使用する/自室で使わない
・食卓(食事中)では使わない ・歩きスマホはしない |
ポイントは、「ダラダラ使うことにつながらない」「周囲への配慮」ということが考えられます。
例えば、歩きスマホを通して事故のリスクや、周囲への迷惑を考えることができます。
また、使う場面/使わない場面をしっかり区切ることで依存を防ぐこともできます。
内容については、多岐にわたる項目が考えられますが、大きくまとめるとポイントは以下のとおりです。
・自分を傷つける内容がないか(不適切な投稿、性的な画像、個人特定につながる投稿など)
・誰かを傷つける内容がないか(権利侵害、誹謗中傷、デマ・フェイクニュースの拡散、など)
一概に「こういう内容はダメ!」と言うのではなく、これをしたらどこにどのような影響を及ぼす可能性があるのかを子どもたちが自ら考えられるようになることが大切です。
様々な事例を元に、それぞれの場面で何が問題だったのか、どうすれば良かったのかを考える習慣をつけられるように声をかけてみてはいかがでしょうか。
ルールは一度作ったら終わり、ではなく定期的に見直すことが大切です。子どもたちも日々成長していく中で、実態に合わせて緩和すべき内容や見直すべき内容がないか、振り返りをする時期を予め設定しておきましょう。
また、万が一ルールを守れなかったときどうするかを予め決めておくことも大切です。
一時的に取り上げる、制限をかけるなどが考えられますが、同時に、やみくもに禁止するだけではなく、同じことを繰り返さないためにどうしたらいいかを一緒に考えるようにしましょう。なぜ、そのルールを守れなかったのか、また何かトラブルが起きていたとしたらそれがどのような影響を自分自身や周囲に及ぼしている(可能性があった)かをしっかり話し合うことが大切です。
失敗を責めるのではなく「使い方を一緒に学んでいこう」という姿勢でいるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
ルール(約束)を作るうえでの4つのポイントをご紹介しました。
様々なルールのサンプルや、家庭のルールを公開しているブログ記事などもありますので、
そうしたものもぜひ参考にしてみてください。それぞれの子どもに合わせたオリジナルのルール作りをすることで、より安全にスマートフォンを活用できるようになってほしいと思います。