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「9月1日問題」ってなに?夏休み明けの自殺リスク

2025.08.24

皆さんは「9月1日問題」という言葉をご存じでしょうか。
これは、毎年夏休みが終わる8月末から9月初めにかけて、特に9月1日前後に、子どもや若い世代の自殺が急増する現象を指します。背景には、いじめや学業、人間関係の不安、生活リズムの変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
本記事では、この問題の現状や子どもたちの見逃してはいけないサイン、具体的な対応策について紹介します。

「9月1日問題」とは

「9月1日問題」とは、二学期の始業式が多い9月1日を前後して、18歳以下の自殺が例年多く報告される現象のことです。令和6年度の月別データからも、小中高生の9月の自殺者は59人で、最も多い月になっていることが分かります。

月別自殺者数(小中高生計)〈警察庁「令和6年中における自殺の状況」 より作成〉

 

・なぜ「9月1日」なのか

9月1日が二学期の始業式という学校は全国的に多く、この日が夏休み明けの節目になります。そのため、子どもたちの「学校に行きたくない」という気持ちのピークが9月1日に集中しやすいと考えられます。

夏休み明けの初日までに、将来や学校生活への不安が強まり、心の中で逃げ場を見つけられないまま追い詰められることがあります。こうした状況が背景となり、統計上でも9月1日前後は18歳以下の自殺者数が年間で最も多くなる日として現れています。

 

背景にある主な要因

警察庁の統計によると、自殺の原因・動機については、学校問題が一番多くなっており、その後に健康問題、家庭問題が続いています。

学校問題の内訳としては、「学業不振」「入試に関する悩み」「進路に関する悩み(入試以外)」「いじめ」「学友との不和(いじめ以外)」「教師との人間関係」「性別による差別」「学校問題その他」の8つに分かれています。

学校問題の中でも特に多かった原因・動機は、学業不振(65件)、学友との不和(いじめ以外)(60件)、進路に関する悩み(入試以外)(51件)、学校問題その他(46件)、進路に関する悩み(入試以外)(33件)でした。

詳細なデータについては、警察庁の統計資料をご覧ください。

(警察庁_統計(自殺者数):https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html

見逃してはいけない子どもたちの「異変のサイン」

子どもが発する「SOS」は、必ずしも言葉で伝えてくれるわけではありません。むしろ、言葉にできないまま、行動や態度の変化として表れることのほうが多いのです。厚生労働省のサイトにて、「こころのSOSサイン」が紹介されています。

・睡眠

睡眠のリズムがくずれている。

眠れない。

・食欲

食欲がなく、食べる量が減った。

とくにパンやご飯、お菓子などの炭水化物を欲しがる。

・体調

体がだるそう。

顔色が悪い。

・行動

挨拶をしなくなった。

何もせず長い間ぼんやりしている。

 

詳細やその他の具体例に関しては、こちらをご覧ください。

厚生労働省 「こころもメンテしよう~ご家族・教職員の皆さんへ~」 

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/mental/sos/sos_01.html

私たちができること-子どもたちを守るために

夏休み明けのこの時期は、子どもたちの心が不安定になりやすく、命に関わる危険信号が表れることもあります。一人の力で全てを解決することは難しくても、小さな行動が、命を守るきっかけになります。

日本財団ジャーナルの記事では以下のような対応について触れられています。

 

・日常の変化を見逃さない

子どもの行動や表情、生活習慣の「普段と違う」変化に気づくため、日頃からよく観察する。

・信頼関係を築く

共感的に話を聞き、親の意見を押し付けず、先走って解決しようとしない。問題解決と心のケアを分け、まずはつらい気持ちを受け止める。子どもの意思を尊重し、否定や説得よりも傾聴と安全確保を優先する。(Talkの原則:Tell・Ask・Listen・Keep safe)

・大人が見本を示す

自分を大切にし、弱さも含めて受け入れる姿を見せることで、子どもも自分を大切にできるようになる。

 

詳しい内容については以下の記事をご覧ください。

日本財団ジャーナル 「子どもの言葉に深く耳を傾け、気持ちに寄り添う。子どもの自殺予防のために親ができること」

https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2024/100285/suicide

 

また、サポートする側の大人も、自分だけで対応しようと抱え込まず、必要に応じてスクールカウンセラーや養護教諭、医療機関などの専門家に相談することも重要です。早い段階で専門的な支援につなげることで、子どもの安全と回復の可能性が大きく広がります。

「見守る」「話を聞く」に加えて「支援につなげる」ことも、大人の大切な役割です。

相談窓口のご案内

厚生労働省のサイトにて、SNSやチャットでの相談ができる団体が紹介されています。

https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/

 

学校生活に不安を抱える子どもたちにとって、新学期は大人が思う以上に大きなプレッシャーになります。誰にも相談できずに抱え込み、限界に達して命を落としてしまう子どもを少しでも減らすために、子どもはもちろん、大人にも、ぜひこうした相談窓口を知っていただきたいと思います。

スクールガーディアンでは、生徒に身近なSNS(LINEやWebチャット)を活用した「SNS相談室」を設置・運営しています。子どもたちが抱える悩みを、気軽に安心して相談できる窓口です。

カウンセリングは、臨床心理士や社会福祉士などの資格を持つ専門のカウンセラーが担当し、必要に応じてリスクのある内容は速やかに報告します。また、長期休暇中のみの開設や、いじめ防止強化月間などの取り組みに合わせた期間限定の設置も可能です。

子どもたちが悩みを言葉にしづらい状況でも、安心して相談できる場づくりを目指しています。詳しくは以下のページをご覧いただき、関心のある方はお気軽にお問い合わせください。

https://school-guardian.jp/service/sns-consultation/

まとめ

今回は「9月1日問題」をきっかけに、自殺リスクが高まる夏休み明けの現状や、子どもたちの異変のサイン、その対応策について紹介しました。

子どもたちの日常の変化に気づき、共感的に話を聞くことや心のケアを優先すること、適度な距離感を保つことが重要です。家庭や学校で信頼関係を築き、安心して悩みを話せる環境を整えることが、子どもを守る第一歩となります。

スクールガーディアンでは、子どもたちが気軽に相談できるSNS相談サービスも行っています。関心をお持ちの方は、ぜひご検討ください。

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