冒頭にも記載しましたが、たとえ友人同士であっても、他人のID・パスワードを無断で入力してアカウントにログインすることは、「不正アクセス行為」に該当します。
話題になった投稿を見ると、友人同士での遊びの一つとして、友人アカウントのパスワードを推測してログインできるかを試している状況のようですが、ほとんどの生徒は、自分たちが行っている行為に問題があることを認識していないと考えられます。
「パスワードを予測したらあっていたから入っただけ」
「知らない人ではなく、友人のアカウントだから」
「勝手に投稿したり消したりしたわけじゃない」
子どもたちはこのような考えで、友人のアカウントへの不正アクセスを行っているのかもしれませんが、不正アクセス禁止法は、違反すれば懲役刑もしくは罰金刑が課せられるため、被害届が出されれば「遊びのつもりだった」などの言い訳は通用しません。
さらに、このような違法行為が遊びとして広がってしまうと
「ちょっとログインしただけで文句言われた」
「このぐらいで怒るなんて」
「みんな遊びでやってるのに」
と、間違った方向に同調圧力が広がる可能性もあります。
現時点で【他人のIDパスワードを使ったアクセスは違法行為である】ということを理解しておかなければ、友人間での遊びではとどまらず、芸能人や企業などの興味のある第三者のアカウントへの不正アクセスを引き起こすかもしれません。
そもそも、「不正アクセス禁止法」とは何か。
総務省の【国民のためのサイバーセキュリティサイト】には、不正アクセス行為の禁止等に関する法律についての解説ページが開かれていますので、詳細は、ぜひ以下のページを参照ください。
参考 国民のためのサイバーセキュリティサイト(総務省):https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/basic/legal/09/
不正アクセスについては、
【他人のID・パスワードを入力したり、脆弱性を突いたりなどして、本来は利用権限がないのに、不正に利用できる状態にする行為】
と解説されています。
上記で挙げた今回の中高生の遊びは不正アクセスに該当することが明白です。
「遊びだから」という言い訳は通用しないということを、子どもたちが理解する必要があります。
※不正アクセス禁止法に違反した場合、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金などが課せられます。
友人のアカウントへの不正アクセスをしている人たちには、「友人を困らせてやろう」などの悪意はないかもしれません。
しかし、各サービスの運営会社に残されるログイン履歴等からは「遊びでやったこと」「悪意があってやったこと」を見分ける方法はありません。
つまり、どんな理由でも自分以外のアカウントへのアクセスは不正アクセスであり、違法行為なのです。
SNSアカウントの利用は、もはや日常の一部となっています。だからこそ、大きなトラブルに繋がる前に、
「なぜ人のアカウントに勝手にアクセスしてはいけないのか」
という、『やっていいことと悪いこと』の基本的な部分から、学校や家庭で繰り返し教えていく必要があるのです。
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