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SNSがつくる「見えない競争」中高生が抱える劣等感

2025.09.23

InstagramやTikTok、BeRealなど、いまや中高生の生活に欠かせないSNS。
しかし、本来は楽しい交流の場であるはずのSNSが、知らず知らずのうちに劣等感の原因になっている現状があります。友達の「キラキラした日常」や、自分より多いフォロワーや「いいね」の数、憧れのインフルエンサーの姿を目にするたびに、他人と自分を比較して「劣っている」と感じる中高生も少なくありません。
今回は、SNSがどのように劣等感を生むのか、その背景を解説するとともに、SNSの劣等感とどう向き合っていくかについて紹介します。

SNSが生み出す「劣等感」

いまや中高生のほとんどがSNSを日常的に利用しています。

SNSは自分の思い出の写真を投稿したり、友人の投稿を見て楽しんだりと、本来は人との交流を深めるための場です。しかし近年では、SNSを通して自分と他人を比較し、劣等感を抱く若者が増えています。

多くの中高生は、日常的に劣等感を覚える瞬間を経験しています。
例えば、友達が旅行やイベントを楽しむ「キラキラした投稿」を見て、自分の生活との落差を感じてしまったり、身近な友人のフォロワー数や「いいね」の数と比べて落ち込んだりすることがあります。

さらに、身近な友達だけではなく、インフルエンサーや芸能人の華やかな投稿は、容姿や生活の豊かさへの憧れを生む一方で、自分との違いに目を向けさせ、自信喪失につながったり、外見至上主義(ルッキズム)にとらわれてしまう要因になる可能性があります。

こうした比較から生まれる劣等感は、SNSを「楽しむためのツール」から「自分を苦しめるツール」へと変えてしまう危険性があります。

なぜSNSは劣等感を生むのか

なぜSNSによって「劣等感」や「羨望」が生じるのでしょうか?

・いいねやフォロワー数など数字が目につきやすい

SNSでは「いいね」やフォロワー数といった数字が目につきやすく、それが人気や価値を示す指標のように見えてしまいます。その数が少ないと「自分は認められていないのではないか」と感じ、自信を失うきっかけとなります。本来は単なる数字に過ぎないはずのものが、思春期の中高生にとっては自己評価を大きく揺るがす要素となってしまうのです。

・「SNSでの姿がすべてではない」ことを忘れがち

多くの写真は加工され、投稿は演出された一場面にすぎません。そこに映し出されるのは「理想的な自分」や「最も輝いて見える瞬間」であるにもかかわらず、中高生たちはそれをその人の「現実」として受け止めてしまいます。その結果、自分と他者を比べて「自分はあの子より劣っているのではないか」「自分の日常はつまらないのではないか」と感じ、劣等感を強めてしまうのです。

・SNSが承認欲求を満たす場になっている

SNSは承認欲求を満たす場として機能しています。中高生の多くは「他人から認められたい」「注目されたい」という思いを抱いており、投稿に多くの反応がつけば一時的に安心しますが、少ないと不安や孤独感につながります。その結果、いつのまにか「誰よりも注目されたい」「もっと多くの反応を得たい」という競争が生まれ、精神的な負担を増すことになります。

 

このように、中高生が劣等感を抱く背景には、SNSの非現実的な側面を見抜くことが難しい現状があります。加工された情報をそのまま現実と受け止めたり、数字が人間の価値を決めると錯覚したまま利用を続けたりすることが、中高生を追い詰める大きな要因となっているのです。

中高生に与える影響

SNSによる劣等感は、中高生の内面や行動に少しずつ影響を及ぼします。

・SNSへの過度な依存

「もっと注目されたい」「いいねを増やさなければ」という思いから、自撮りを繰り返したり、常に“映える”瞬間を探し続けたりするなど、生活が「SNS中心」になってしまう危険性があります。その結果、学習への集中力が低下したり、現実の人間関係への関心が薄れたりすることがあります。また、SNS映えを優先するあまり、プライバシーを軽視した投稿につながるリスクもあります。

・人間関係への悪影響

SNS上でのフォロワー数や「いいね」の数をめぐってトラブルが起きたり、友人関係が「誰と誰がつながっているか」に左右されたりすることも少なくありません。劣等感を抱えたまま人と接すると、自分を卑下する傾向が強まり、交流そのものが難しくなるという悪循環に陥る可能性があります。

・ルッキズムや過度なダイエット

深刻なケースでは外見への執着が強まり、ルッキズムに陥ることがあります。キラキラした芸能人の投稿や友人の華やかな日常を目にして自分と比較し、「もっと痩せなければ」「もっと見た目を良くしなければ」と感じるようになるのです。その結果、過度なダイエットや美容行動を繰り返し、心身に大きなリスクを抱えてしまうことがあります。

 

SNSがもたらす劣等感は、中高生の心の中だけにとどまらず、学習態度や人間関係、さらには健康にまで影響を及ぼす可能性があります。だからこそ、教師や保護者が早期に気づき、適切に支援していくことが欠かせません。

SNSにとらわれないために

SNSは便利で楽しいツールである一方、劣等感や不安を生み出す危険性もあります。大切なのは、SNSに振り回されず、上手に距離をとって利用することです。

まず意識したいのは、「SNSに映る姿がすべてではない」ということです。多くの投稿は加工された一瞬の場面にすぎません。画面に映る「きらめき」と実際の生活は大きく異なることを理解しておくと、比較による劣等感にとらわれにくくなります。また、「いいね」やフォロワー数は人の価値を決めるものではありません。数字に一喜一憂するのではなく、現実の友人関係や自分自身の成長に目を向けることが大切です。

さらに、SNSにとらわれすぎないためには、意識的に距離を置く時間をつくることも効果的です。スマホから少し離れて、運動や読書、趣味などに時間を使うことで、心のバランスを取り戻しやすくなります。SNSから一度離れることが、自分を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

もしSNSが原因で気持ちが落ち込んだり、不安を感じたりする場合は、一人で抱え込まず、信頼できる友人や先生、家族に相談しましょう。気持ちを共有するだけでも安心感を得られることがあります。

SNSそのものが悪いわけではなく、使い方次第で生活を豊かにしてくれるものです。だからこそ、「SNSにとらわれすぎない姿勢」を持つことが、中高生が自分らしく過ごすための第一歩になるでしょう。

まとめ

SNSは本来、友人との交流や情報共有を楽しむための場ですが、実際には「劣等感」や「不安」を生み出し、中高生の心身や人間関係に大きな影響を及ぼすことがあります。

SNSにとらわれないためにも、上手に活用していく姿勢が求められます。

数字や華やかな投稿に振り回されず、現実の自分や身近な人間関係を大切にすることが重要です。また、意識的にSNSから距離をとり、趣味や学びなどに時間を充てることで、心のバランスを整えることもできます。困ったときには、一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することが安心につながります。

スクールガーディアンでは、SNSとの付き合い方や情報リテラシーを学ぶための「ネットリテラシー講演」を実施しています。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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