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「譲」「求」ってなに?SNSでの個人間取引に潜むリスク

2025.10.15

「譲」「求」――SNS上でよく見かけるこれらの言葉は、それぞれ「譲ります(譲)」「求めます(求)」を略したものです。アイドルグッズやチケットなどの交換・売買を目的に使われることが多く、いまや中高生の間でも広がっています。しかし、こうしたSNSを通じた取引には、個人間のやり取りだからこそ詐欺やトラブルなど多くの危険が潜んでいます。今回は、SNS取引の実態とよくあるトラブルの事例、そして被害を防ぐためのポイントを紹介します。

「譲」「求」投稿

SNSでこのような投稿を目にしたことはありますか?

最近では、X(旧Twitter)などで「#譲」「#求」といったハッシュタグを使い、チケットやグッズ(アクリルスタンドやトレーディングカードなど)を交換・売買する投稿が広がっています。「#譲」は「譲ります」の略で、手放したいグッズやチケットを示すときに使われます。一方、「#求」は「求めます」の略で、欲しいアイテムやチケットを探しているときに使われます。

こうした「譲」「求」投稿が急増しているのは、次のような“手軽さ”や“便利さ”があるからです。

・お目当てのグッズやチケットを手に入れられる:公式サイトで売り切れたチケットや、イベント限定グッズも、SNSで探せば譲ってもらえることがある。

・サイトやアプリを経由しないため手数料がかからない:フリマアプリのような販売手数料や送料が不要なこともあり、気軽にやり取りできる。

・SNSでやり取りできる気軽さ:SNSの拡散力を使えば、「譲ります」「求めます」の投稿が短時間で多くの人に届く。使い慣れたアプリ上でやり取りできる点も魅力。

このようなSNSを通じたやり取りは、ファン活動の一部として自然に広がっており、便利で魅力的な側面も多くあります。

増えるSNSでの個人間トラブル

SNSでは、個人同士でやり取りをする方法がいくつもあります。一般的な流れとしては、次のようなものです。

①自分のお目当ての「#譲〇〇」「#求△△」といった投稿を見つける。
②SNSのDM(ダイレクトメッセージ)で連絡を取り、取引を進める。
このように、SNSでは誰でも簡単に取引を始めることができます。やり取りのスピードも速く、やる気のある相手同士なら、わずか数分で話がまとまることもあります。アプリなどへの登録も不要で、普段使っているSNSのDMで気軽に取引ができるという手軽さも魅力です。
しかし、フリマアプリのように本人確認や運営による仲介があるわけではありません。そのため、送金後に相手が連絡を絶ったり、約束した商品が届かなかったりするなどのトラブルが起こることがあります。さらに、お互いの住所や口座情報を直接伝え合い、銀行振込や電子マネーなどで支払いを行うケースが多いため、詐欺被害につながることも少なくありません。
SNS上では匿名でのやり取りも多く、相手の素性を確かめるのは非常に難しいのが現実です。便利で手軽だからこそ、少しの油断によって大きな被害につながることがあります。

よくあるトラブル事例

・PayPayで支払った途端、連絡が取れなくなった

SNS上の取引では、PayPayなどで前払いするケースが多く見られます。買い手が代金を送った後、売り手が商品を受け渡す流れですが、支払い後に急に連絡が取れなくなり、商品を手に入れることができないといったトラブルが増えています。
SNSではフリマアプリのような運営の仲介や補償制度がないため、支払ったあとに売り手が姿を消してしまうと、どうすることもできません。ブロックされて連絡が途絶えたり、「送った」「届かない」と言い争いになったりするケースもあります。特に普通郵便など追跡できない方法で送られた場合、事実を確かめることが難しく、泣き寝入りになってしまうことも少なくありません。

・チケットを譲ってもらったのに入場できなかった

最近では、チケットが紙ではなくQRコード形式の公演が増えています。この形式の公演では、QRのスクリーンショットやアプリでの分配(各サイトによって分配方法や必要な情報は異なる)などでチケットが譲渡されます。
そんな中で、偽のQRコードやスクリーンショットを送られてしまったり、会場でチケットを確認すると「使用済み」や「無効」と表示され、入場できないというトラブルが報告されています。支払い後に連絡が途絶え、返金や補償が受けられないケースも少なくありません。
公演当日に問題が発覚すると、会場で対応することも難しく、せっかくの公演に参加できない可能性があります。

・個人情報を教えたら悪用された

郵送でグッズやチケットを交換・譲渡する場合、送り先の住所や名前など、個人情報を相手に伝える必要があります。また、SNSの取引では「信頼できる相手か確かめたい」として、身分証明書の画像を送るよう求められることもあります。
相手が先に身分証を送ってきて安心させようとする場合もありますが、それが本当に本人のものであるとは限りません。偽造したものや他人の証明書を使っている可能性もあります。
学生証や免許証など、自分の身分証の画像を送ってしまったり、住所などの情報を教えてしまうと、個人情報を不正に利用される危険があります。

・グッズの手渡し交換のはずが、知らない男性が現れた

グッズやチケットを直接手渡しで取引するケースもあります。「女性のアカウントだったので安心」と思って現場に行ったところ、実際に来たのは全く別の人物(男性)だったというトラブルもあります。
SNSでは相手の身元を確認することができないため、思わぬ危険に巻き込まれることがあります。待ち合わせの場所や時間帯によっては、身の安全に関わるリスクも無視できません。手渡しは送料がかからず、直接受け渡すことで商品が届かないリスクも避けられるというメリットを感じる人もいますが、見知らぬ人と直接会う約束は、思わぬ事件や事故に巻き込まれる可能性があり、安全のためには避けた方がよいでしょう。

トラブルに巻き込まれないために

SNSでの取引は思わぬトラブルにつながることがあります。安全に利用するために、次のようなポイントを意識する必要があります。

・公式のサイトを利用する

グッズやチケットの交換・販売を行うときは、SNS上で個人と直接やり取りするのではなく、信頼できる公式サイトやアプリを利用しましょう。

運営が取引を仲介してくれるサービスでは、受け取り確認後に相手に代金が支払われたり、お互い匿名で取引ができたりと、支払いトラブルや詐欺を防ぐ仕組みが整っています。

個人間のやり取りよりも、はるかに安全に取引を進めることができます。

・むやみに自分の個人情報を発信しない

グッズやチケットを郵送でやり取りするとき、住所や本名、電話番号などの個人情報を相手に伝える場面があります。しかし、匿名性の高いSNSでは、相手が本当に信頼できる人かどうかを見極めるのは簡単ではありません。取引後にブロックされたり、個人情報が第三者に渡ったりするケースもあります。

また、DMで身分証明書の画像を求められても、絶対に送らないようにしましょう。悪用される危険があります。自分の個人情報は、どんなに親しげな相手でも安易に教えないことが大切です。

まとめ

SNSは、ファン同士がつながれる場であり、グッズやチケットを気軽に交換・譲渡できる便利な場です。しかし、個人間のやり取りだからこそ、詐欺や個人情報の悪用などのトラブルが起きる危険があります。

「みんながやっているから大丈夫」と油断せず、公式の取引サイトを利用したり、個人情報を安易に教えないようにするなど、自分の身を守る意識が大切です。

SNSを安全に使うためには、便利さの裏にあるリスクを理解し、慎重に行動することが必要です。もし不安を感じたり、トラブルに巻き込まれそうなときは、一人で抱え込まずに、家族や先生など信頼できる大人に相談しましょう。

スクールガーディアンでは、SNSとの付き合い方や情報リテラシーを学ぶための「ネットリテラシー講演」を実施しています。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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