公衆無線LANスポット(Wi-Fiスポット)は、場所によっては、スマートフォンの回線よりも快適に利用することができ、外出時にはとても便利です。しかし、公衆無線LANスポットには、通信が暗号化されていないために、メールの内容を盗み見されたり、スマートフォンに保存していた連絡先や写真、動画などの個人情報が盗み取られてしまうこともあります。
インターネット上で情報を暗号化して送受信できる仕組みをSSL(Secure Socket Layerの略)と言います。これは、個人情報、クレジットカード情報などの大切なデータを安全にやりとりするためのシステムで、SSLが運用されているかどうかは、URLがhttps://で始まっていること、ブラウザに鍵マークが表示されているかどうかで判別できます。被害に遭わないためには、公衆無線LANスポットを利用する際に、この暗号化処理がされているかどうかの確認を行うことが重要です。また、利用しない場合はWi-Fiの設定をあらかじめ切っておくことが対策に繋がります。
無線LANに接続する際、通常はパスワードの入力が必要になります。これをWEPキー(Wired Equivalent Privacyの略)と言い、無線LAN通信時に、第三者からの盗聴や盗難等を防ぐために使用されるものです。しかし、公衆無線LANスポットにはWEPキーが設定されていないものもあります。設定がない公衆無線LANスポットに接続してしまった場合、自分のスマートフォンに他人がアクセスし、乗っ取られてしまい、知らぬ間にマイクやカメラを勝手に操作され盗聴や盗撮に使われたり、サイトにログインする際のIDやパスワードを盗み取られてしまうこともあります。
そのため、接続する際は、パスワードのないアクセスポイントは避けること、また、個人IDやパスワードでのログインが必要なサイトページは閲覧しないことが大切です。さらに、クレジットカード情報を盗まれたり、ウイルスファイルが自動でダウンロードされたりと、悪意のあるアクセスポイントも存在すると言われています。無線LANに接続する場合は、誰が提供しているスポットかを確認し、提供元が不明確なものは極力接続しないようにする必要があります。
参考
■一般利用者が安心して無線LANを使用するために
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/cmn/img/home/security_lan.pdf
無線LANへの接続に関するトラブル事例をご紹介します。ご指導の際にご参考にしていただけますと幸いです。
■狙われる自宅の無線LAN ただ乗り簡単、犯罪に巻き込まれる可能性
https://www.sankei.com/premium/news/150630/prm1506300003-n1.html
■佐賀県立学校不正アクセス事件、個人情報1万4355人分、成績808人分の流出が確定
https://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/news/16/081002397/
以上、いかがでしたでしょうか。4月末はGWも始まり、生徒の皆さんの外出の機会が増えるかと存じます。お休みに入る前にぜひ、こちらの記事でご紹介した内容をお伝えいただけますと幸いです。