2019年7月2日、ポケモンGOのハリーポッター版とも言われる「魔法同盟」というゲームアプリがリリースされました。
ホーム – Harry Potter Wizards Unite
『ハリー・ポッター:魔法同盟』は、J.K.ローリングの魔法と冒険の世界や「ハリー・ポッター」シリーズを題材とする、位置情報サービスを利用したARゲームです。『Pokémon GO』、『Ingress』の制作で知られるNianticとWB Games San Franciscoがお届けします。
ポケモンGOと同じように、アプリを起動したまま外を歩くと、現実世界の地図に連動したゲーム内の地図上を、魔法使いになった自分のキャラクターが歩きます。ポケモンGOでは「ポケストップ」と呼ばれていた各地のランドマークは、魔法同盟では魔法が回復する「宿屋」や、魔法薬などのアイテムがもらえる「温室」、そして魔法使いバトルを行う「砦」などに設定されています。世界観はハリーポッターに変わっているものの、ゲームの仕組みはポケモンGOと非常に近しいものです。
他には、「ポートキー」というアイテムをセットして、決められた距離を歩くと、そのアイテムが解放されたり、鍋の中で薬草などを調合し、一定時間が立つと「魔法薬」ができあがったりなど、歩いた距離や時間によってなにかが起こる仕組みも、ポケモンGOと同様です。
魔法同盟では、ポケモンを捕まえる代わりに「ファウンダブル」と呼ばれる、魔法によって奪われた人や動物、道具や本などを救ってコレクションする、というストーリーになっています。ポケモンGOよりも読ませる文字の量が多く、ストーリー仕立てになっているところは、ポケモンGOとの違いかもしれません。
また、読ませる文字が多いことと、ダークな世界観などからも、子ども向けのゲームであるという印象は薄くなっています。さらに、今の中学生、高校生にとっては「ハリーポッター」はすでに完結した超大作であり、今まさにブームになっている、という状況ではないようにも感じられます。今後、「魔法同盟」がどれほど日本でプレイされることになるのか、どのようなユーザー層が強くなっていくのかは未知の領域ですが、どちらかというと、ハリーポッターの新刊を心待ちにしていた世代に響くゲームなのかもしれません。
今後もポケモンGOや魔法同盟と同様の仕組み、別の世界観のゲームが出てくることは予想されます。これらの「位置ゲー」に共通する注意点は、やはり外に出て、移動しながらプレイするものだというところでしょう。歩きスマホ、自転車や自動車の運転中のよそ見や操作、危険な地域への立ち入りなどは、ポケモンGOのリリース後にも問題になりました。
「周りをよく見て、注意して遊んでください」
「危険が予想される地域には、立ち入らないでください」
魔法同盟にも、上記のような注意書きがいくつも表示されます。また、電車やバスの中から操作すると、「運転中なのではないか」とアプリが判断して、「速度が速すぎます」という警告が表示されます。しかし、「同乗者です」という選択肢を選べば、警告を消して遊び続けることができます。本当に同乗者の場合は問題ありませんが、仮にドライバーであっても、「同乗者です」というボタンを押して操作し続けることは、技術的には可能となっています。
いくらアプリ側で注意・警告をしたとしても、最終的に安全に使う操作をするかどうかは、ユーザーの良識にかかっています。楽しいゲームのせいで危険な目に遭わないように、節度を持って遊ぶユーザーが増えることを願います。各学校でも、念のため注意喚起をしていただくと良いかもしれません。
また、大人の皆様も、ぜひ一度ポケモンGOや魔法同盟などの「位置ゲー」で遊んでみてください。コレクター魂に火がついたり、日々のミッションをクリアするうちに、気がついたらハマってしまっているご自身に驚かれるかもしれません。危険な点だけではなく、何が楽しくて子どもたちはこのようなゲームで遊ぶのか、という視点で見ていただくと発見も多いかと思います。私も、もう少し魔法同盟で遊んでみようと思います。