インターネット上の交流で使われるネットスラングにはいくつかの種類があり、主に、
・本来の言葉を略して短くしたもの
・誤入力・誤変換されたもの
・本来とは言葉の意味が異なるもの
といった内容で分類することができます。
インターネット上の交流では文字を使ったやりとりが主流のため、入力をより早く簡単にするために省略された単語が広い世代で利用されています。
「Goodjob」を「GJ」、「お疲れ様」を「おつ」と省略することで、本来の言葉の意味を変化させず、表現するために必要な文字数を減らしているのです。
「笑った」を「w」として表現している文章は昔から存在しているので、こちらは見かけることも多いかもしれません。
また、早く簡単に入力できることから、リアルタイム配信の生放送や動画へのコメント、さらにはSNSでの日常のやり取りにも使われることが多いようです。
誰かがキー入力を間違ったまま投稿した言葉や、漢字変換を誤ったまま投稿された言葉も、時にはネットスラングとして広がることがあります。
本来とは異なる言葉や漢字になってしまったものの、周囲が「おもしろい」と判断したことで誤った状態のままで利用され続けます。
また、一部のネットスラングは意図的に本来とは異なる漢字に変換して使われていることもあります。
これは、攻撃的な言葉や文字を入力できないように設定されている掲示板やSNSへ書き込みを行うために考えられたようです。
「死ね」を「氏ね」「タヒね」などのように、読みは同じだが異なる漢字をあてたり、カタカナで元の漢字に近い形を作りだすことで、本来なら書き込むことのできない言葉を使えるようにしています。
ネットスラングでは、 ”地雷” ”脳死”など、日常であまり使う機会のない言葉も、さまざまな状況を表す言葉として利用されています。
たとえば「地雷」は、本来は地上や地中に設置される兵器のことですが、
”触れれば爆発する”という兵器の特徴から、ネットスラングでは「触れたくない、見たくない」「苦手、受け付けない」ものを表す言葉として使われています。
「脳死」という言葉は、悪い意味をもってネットスラングとして使われており、「なにも考えずにゲームを遊んでいる」ことを表しています。
戦況の確認が必要なく、戦術やアイテムの使用についてなにも考えずに淡々とプレイできるゲームのことを表す場合や、遊ぶことに慣れたゲームにて操作量を最小限まで削り、反射的に遊んでいるような状態に使われます。
もちろん上記に説明したもの以外にも、たくさんのネットスラングが存在していますが、すべてを知ることは難しいため、SNS上で見かけることの多い一部のスラングを解説します。
英語のEmotionalに由来する言葉。「この写真エモい」「あのシーンはエモい」など、深い感動を体験したときや、心が揺さぶられてなんとも言えない気持ちになった対象を説明するときに使われます。
「顔色を失う」「合わせる顔がない」などの言葉と同じように、「驚いた、困った、恥ずかしい」などの感情を表す言葉です。
「自分の仕事について聞かれたのに、なにも答えられなくて顔ない」などのように使われます。
エアプレイ、エアプレイヤーの略語。
見たこともない映画について感想を述べたり、実際に遊んでいないゲームについて経験者のように振る舞うなど、いわゆる”知ったかぶり”をしている相手への批判の言葉として使われます。
時には、自分の発言内容に自信を持てないときに「エアプで申し訳ないけど…」とつけることで、自分の知識不足を表現するために使われることもあります。
それぞれのコミュニティを指す言葉です。
「X界隈」「Instagram界隈」といった利用しているサイトによる分類や、「美容界隈」「自然界隈」など同じものが好きな人同士の集まりなどを表現するために使用されることもあります。
日々こういったネットスラングは増えており、数えられないほどにまで拡大しています。
ネットスラングは、有名な作品や著名人から生まれるのではなく、誰からでも、どこからでも生まれる可能性があります。
あなたのなにげない投稿が、次の日にはネットスラングとして広がっているという可能性もあるのです。
文字を主体とした交流のために作られ、時には人を傷つけるために使われることもあるネットスラング。
気軽に使われる言葉だからこそ、自分や周囲の人にどのような影響があるかを考えてから使いましょう。
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