2022.01.27
スクールサインは有意義な学校生活をサポートしてくれるツール
インタビュー日時:2021年12月
学校名:広島工業大学高等学校
担当者様: 大川教頭先生、生徒指導主任 和田先生
共学・別学: 共学校
導入公開: 生徒・保護者に全面周知
和田先生)若い世代の自殺件数が増え、実際に近隣の学校でも未遂事件が発生したと聞いています。一人一人の命を守って、みんなが安心して学校に来られるような、いじめの抑止力と考えてスクールサインの導入を決意しました。
利用実態統計ダウンロード2022年度のスクールサインに寄せられた投稿のうちいじめ投稿の割合や、投稿時間の統計など利用実態をまとめた資料のダウンロードはこちらです。 実際にスクールサインにはどんな投稿が多いのか、どんな使われ方をしているのか、関心のある方はぜひご利用ください。 |
和田先生)匿名で投稿できるところがスクールサインの良さだと感じました。自分の心の内を誰にも打ち明けられない子どもたちの居場所になればいいなと思ったのです。匿名でも、投稿してもらえることで、教員側の初期対応もかなり早くなります。投稿をもとに、子どもたちを注意深く見ていると、マスク越しでも何となく「この子じゃないのかな」とわかるのです。ピンと来たら、1対1になれる朝の当番や帰りの巡回指導で声をかけるようにしています。
和田先生)想定以上に多くの生徒が教員のことを投稿してくれています。各学年の生徒の考えがよくわかるようになりました。私たち教員も配慮が必要な言動がわかるようになり、事実教員側の言葉遣いはかなり丁寧になってきている気がします。生徒が「先生たちがきちんと自分たちを見てくれている」と安心できるようになって良かったです。
和田先生)アディッシュさんからいただいた保護者宛の案内文を皆さんに配布しましたが、特に質問や問い合わせはありませんでした。すんなりと受け入れていただけたのではないでしょうか。中学生でしたらもう少し説明が必要だったかもしれませんが、しっかりしている高校生であるためか、心配は不要でした。
和田先生)「子どもの自殺を絶対に減らそう、絶対にあってはならない」「子ども達の居場所を学校に作ろう」という想いから導入しましたが、効果はあったと感じています。子どもたちにとっては人には言えないけど、誰かに気づいて欲しいことを伝えられる場所ができ、教員は目に見えない部分にもいち早く対応できるようになりました。
学校での適切な指導が、社会に出る前の子ども達が正しい道を歩いていける手立てになっているかなと思います。スクールサインを導入したことで生徒指導はかなり忙しくなりましたが、これこそが本来あるべきの「子どもの心に寄り添った指導」ではないでしょうか。教員側も比較的スムーズにスクールサインを受け入れてくれたところも、良かった点です。
和田先生)生徒指導にかける時間は増えましたが、それ自体を課題とは捉えていません。
大川教頭先生)基本的にはまず私が投稿をすべてチェックして、学年や生徒指導に対応の指示をしています。しかし、投稿は月に数件程度であるため、そんなに対応に追われているわけではありません。
和田先生)基本的に、どのような学校でもスクールサインを導入すべきと考えています。本校のように1,200人近くの生徒が在籍している大規模校では、どうしても目が行き届かないことがあるため、悩んでいる生徒達が意思表示できる場所が必要です。それもスクールサインがあれば、一人一人の声を聞くことができ、悩んでいる生徒への早めの対応が可能になります。それが生徒一人一人を大切にすることへとつながり、ひいては学校での居場所づくりになるのかなと思います。
和田先生)私は今のままでも十分だと考えています。学校という集団の中で、自分の言いたいことが伝えられない子の存在を認め、私たち教員も子どもたちの存在意義を評価していきたいです。そのために、スクールサインを通じて一人一人にアドバイスできるように取り組んでいきます。
「スクールサインにこうあってほしい」というよりも、ぜひスクールサインやネットパトロールを継続していただきたいです。そして、学校全体が思いやりをもって子どもを助けられるシステム体制を築き、生徒が学校生活を有意義に過ごせるように、努力をしなければいけないなと今一番考えています。
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大川教頭先生、和田先生、お忙しい中でインタビューにご協力いただき、 ありがとうございました!
法人:学校法人 鶴学園
学校名:広島工業大学高等学校
所在地:733-0842 広島市西区井口5丁目34-1
HP:https://www.kodaikoko.ed.jp/zennichi/