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家庭で取り組むネットリテラシー教育

2021.11.18

新型コロナウイルスの流行により登校できない状況とGIGAスクール構想の推進により、1人1台の端末配布が進んだことで、子どもたちは学校でも家庭でもインターネットと接することになり、ネット上の様々なリスクにさらされる可能性が高まっています。

子どもたちをネットのリスクから守るためには学校と家庭それぞれが協力し合って対策することが必要です。今回は、冬休みを前にご家庭で取り組むネットリテラシー教育についてまとめました。保護者の方や、学校の先生方から保護者の方へ伝えるメッセージの参考としていただければと思います。

1.「使わせない」ではなく、「使い方」を教える

 今の子どもたちは“デジタルネイティブ”と呼ばれる世代で、生まれた時からインターネット環境があるのが当たり前の世代です。インターネットの操作は直感的にできるようになっているものも多く、子どもたちのほうがどんどん使いこなしていく様子に、“自分はネットのことがよく分からないからどう対応したらいいか分からない”という保護者の方のお悩みの声もよく耳にします。

 しかし、まだ発達途中の子どもたちはその怖さに気づかず、思いがけない使い方をしてトラブルを起こすこともあります。“子どもたちのほうが詳しいから”と任せておくと、取り返しのつかないことになる可能性もあります。

 「デジタルシチズンシップ」という言葉もあるように、これからの子どもたちには、“デジタルを活用し、社会を良くしていく力”が求められています。

 インターネットの中といえども、私たちが過ごす社会の一部です。一般的なモラルや規範は同じであるということを前提に、保護者や学校、社会の大人の関わり方が重要になってきます。

 

 デジタルシチズンシップについて詳しくはこちらも御覧ください。

2.知る

子どもたちに使い方を伝えていくためには、まず私たち大人が正しく知ることが必要です。

 

(1)利用状況を知る

 子どもたちがどのようなアプリを使っていて、どのようなコンテンツを見ているか、どれくらいの時間見ているか、というのを把握しているでしょうか。

 年齢が上になるにつれ、すべてを把握することは難しくなりますが、良質なコンテンツやアプリもたくさんある一方、リスクが高いもの、使い方によってはリスクが高まるものもたくさんあります。

 子どもたちがよく利用しているアプリ、コンテンツを一緒にやってみることで、その楽しさや危険があるところを共有できるようにしましょう。

【参考】

端末の利用しているアプリや、それぞれの利用時間などの利用状況を知るには以下の方法があります。 

 ■iOS(apple社の端末)の場合:スクリーンタイム

 ■Androidの場合:Digital Wellbeing

携帯キャリア各社のフィルタリングサービス(あんしんフィルター)でも確認できる機能があります。詳しくは後述します。

 

(2)どのようなリスクがあるか知る

 インターネット上には多くのリスクがあり、SNSなどがきっかけで子どもたちが犯罪に巻き込まれる事件も多く発生しています。どのような事件、トラブルが起きているのかを知り、どのように気を付けたらいいのか伝えられるようにしましょう。

■トラブルの例

・書き込みやメールでの誹謗中傷やいじめ

SNSなどで人の悪口を書き込むなど、インターネット上での人権侵害やいじめが発生し、被害に遭った子供が不登校となるなどの事例も発生しています。

・SNSなどに載せた個人情報の流出

SNSなどに安易に個人情報を記載したために、写真や名前、メールアドレスが知らないところで勝手に使われ、嫌がらせを受ける被害が発生しています。

・SNSを通じて知り合った人からの誘い出しによる性的被害

最近は、出会い系サイトではなく、SNSやゲームサイトなどで知り合った人からの誘い出しを受けて、子供が性的被害を受けるケースが増えています。令和元(2019)年にSNSに起因して犯罪被害にあった子供の数は2,082人となっています。

・無料ゲームサイトでの意図しない有料サービスの利用

「無料」とうたっているオンラインゲームで遊んでいる間に、アイテムが有料であることに気づかず購入してしまったため、高額の料金を請求されてしまうトラブルが、子供の間で多く発生しています。

(引用:政府広報オンライン )

 

【参考】

総務省:インターネットトラブル事例集

総務省:国民のための情報セキュリティサイト「インターネット上のサービス利用時の脅威と対策」

 

3.環境を整える

(1)フィルタリング、ペアレンタルコントロールなどの機能環境

・フィルタリングとは、アダルトサイトや暴力的なサイトなどの有害サイトの表示を制限したり、アプリの使用制限を行うなど、子どもたちのインターネットの利用を制限する機能です。

平成30年以降、法律により、端末購入時にフィルタリングサービスへの加入、初期設定することが義務付けられています

(警察庁の発表では、SNSに起因する事件に巻き込まれた未成年者の約9割がフィルタリングサービスを利用していませんでした。)

携帯キャリア各社では、年齢に応じた段階的なフィルタリング設定ができるようになっています。子どもの年齢・発達・利用状況に応じた設定を行うようにしてください。

【参考】安心ネットづくり促進協議会:フィルタリングサービスについて 

 

(2)ルール作り

ルールは子どもたちと相談しながら一緒に作るようにしましょう。

ポイントは以下のとおりです。

・時間(何時まで、または1日何時間まで、など)

・場所(リビングでのみ使用する、歩きスマホはしない、など)

・内容(ネットに書いていい内容、いけない内容の確認)

・ルールを守れなかったとき

・見直しのタイミング


【参考】
・「保護者から子どもへ」家庭のルールのサンプル(安心ネットづくり促進協議会)       

・ソフトバンク社:親子でつくるスマホルールリスト   

・母から子へ:18項目のiPhone使用契約書(類似のキーワードで検索すると日本語の参考訳もいろいろ紹介されています)
https://youtu.be/-7IV7x1FVuw

スクールガーディアンでは、学校、あるいはPTAなどからご依頼いただき、保護者の方に向けた講演活動も行っております。

ご家庭での指導方法やルール作りなどにお悩みの保護者の方、保護者の方にどのように伝えるかお困りの学校関係者の方の参考になりましたら幸いです。

※なお Web サイトについては、2021年11月17日に掲載されているものを参照しています。

私たちは、対策としてネットパトロールを提供しています。

ネットトラブルに巻き込まれることを未然に防ぐ対策として、弊社ではネットパトロールのサービスを学校・自治体へ提供しています。ネットパトロールは、子どもたちの被害を防ぐため検索・監視を行い、学校非公式サイト等やSNSの不適切投稿の早期発見に繋げています。個人情報流出やネットいじめや、出会いや犯罪等に繋がる恐れのある投稿をいち早はやく学校関係者へ報告し、その対策について総合的に支援するコンサルティングサービスです。

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