「パパ活」とは、若い女性が年上の男性とデートをしたり、時間を過ごすことで金銭的な援助や贈り物を受け取る活動を指します。「援助交際」や「売春」のようなネガティブで暗いイメージはあまりなく、お金持ちの年上男性とデートをしてお小遣いをもらうといった華やかな面が強調されることが多いです。
「パパ活」にはSNSやマッチングアプリが利用されることがほとんどで、X(旧Twitter)では「#パパ活」「#パパ活募集」「#P活」などのハッシュタグをつけた投稿が多く見られます。
急速な広まりの要因には、SNSの普及によって華やかな面が強調されていることから「私もキラキラした場所に行ってみたい」「高級レストランに行ってみたい」「ブランドバッグが欲しい」のように「憧れ」になっていることや、性的関係を前提としない食事やデートだけでお金がもらえることから、「パパ活」に対するハードルが低くなり、中高生がアルバイト感覚で気軽に手を出してしまうという背景があります。
中高生にとっても身近になった「パパ活」ですが、実際には多くの危険性をはらんでおり、多くの被害が報告されています。中高生が「パパ活」に関与して被害を受けた事例をいくつか紹介します。
事例1: ある高校生が「パパ活」で知り合った男性に性的関係を強制された
性的関係を前提としてないとはいえ、相手は大人の男性であり、無理やり相手が迫ってきた場合、中高生が抵抗するのは容易ではありません。また、実際にお酒を飲まされたり、席から離れたタイミングで飲み物に睡眠薬を入れられたりして、密室に連れ込まれ性被害にあったという事件も起きています。
事例2: 「パパ活」を通じて知り合った男性に写真や動画を使って脅迫された
食事やデート中に盗撮や録音をされるという事例も多く発生しています。
それらを利用して「学校や親にばらす」という口実で強迫をされたり、リベンジポルノなどの被害に遭う可能性があります。
事例3: 「パパ活」で知り合った男性にストーカー行為をされる
一回会った男性がしつこく連絡してきたり、住んでいる場所を特定して会いに来るなどの危険性があります。実際に関係を切った男性がストーカー化して、学校まで来てしまったというケースも発生しています。
「パパ活」という言葉に対してカジュアルな印象を抱く中高生も多いですが、実際は「知らない男の人と会ってお金をもらう」という危険と隣り合わせの行為です。
・パパ活について正しく理解する
SNSや友達から得た知識だけを通して、「パパ活」を手軽で安全なものだと思っている中高生が多いという現状があります。「パパ活」の現状や危険性などへの正しい理解のためにも、学校や家庭で子どもたちにしっかりと教育を行うことが必要です。
・SNSの利用方法を見直す
「パパ活」にはSNSが多く利用されているため、子どもたちが正しく安全にSNSを利用できているか、普段から注意を払うことが重要です。そして、子どもたちと相談してSNSの使い方について一定のルールを設けることも有効的です。また、中高生が「パパ活」に手を出すことを未然に防ぐためにも、インターネット上での危険なやり取りを監視するネットパトロールサービスなどを活用することをおすすめします。
・子どもたちが相談しやすい環境を作る
日ごろから子どもたちと積極的にコミュニケーションを取り、悩みや疑問がある場合、信頼できる大人に相談できるような環境を作ることが重要です。また「パパ活」のような相談しにくい悩みについて、ネット相談サービスなどを利用できるようにするのも有効的です。
「パパ活」は中高生にとってますます身近になっています。
「援助交際」などの言葉に比べてカジュアルな印象を抱きやすいですが、「知らない男性と会う」という意味では「パパ活」も安全ではありません。中高生が「パパ活」に巻き込まれないように、まずはその現状と危険性を正しく理解することが重要です。
この記事が「パパ活」の危険性を周知し、必要な対策を講じる一助となれば幸いです。
スクールガーディアンでは、子どもたちの「リスクある投稿」を見守る【ネットパトロールサービス】を提供しています。また、子どもたちがカウンセラーへ相談できる環境を用意する【SNS相談・通報サービス】がございます。ご興味がある際には、お声掛けください。