最近、昔からの付き合いのある友人の写真を、グループチャットなどで本人の許可なく共有してトラブルに発展したケースについてのニュースがありました。
実際、「〇〇はこんな感じだった」などと、思い出話として友人の昔の写真を共有することがあるかもしれませんが、本人の許可なく写真を共有してしまうと、友人を深く傷つけてしまい、訴訟トラブルに発展する可能性もあります。
・法的リスク
私達には、肖像権やプライバシー権といった、個人的な情報を第三者に勝手に公開されない権利があります。たとえ友人間でのやりとりであったとしても、本人の許可なく個人の写真を共有してしまうと、これら権利を侵害したと判断される可能性があり、被害者が深く傷ついた場合や交渉が難航した場合、損害賠償請求の訴訟を起こされる可能性があります。
親しい間柄の人の写真であっても、そこには権利が存在することを忘れてはいけません。
・精神的リスク
勝手に公開された本人にとっては、「自分の写真がいつ、どこで、拡散されたのか」「この写真は悪用されたりしていないか」など、継続的な不安に苛まれます。
こうした不安から、精神的な疾病となるケースもあります。
やった側は安易な気持ちでしたことだとしても、された側への精神的ダメージは計り知れないのです。
『友人しかいないグループチャットに投稿したから悪用や拡散は起こらない』と思うかもしれませんが、インターネット上の画像はコピーや保存が簡単にできるため、投稿後に、誰がいつどこに保存しているかをすべて把握することはできません。
ここ最近、卒業アルバムの写真が生成AIによって無断で加工・悪用される事件がニュースになっていることもあり、「グループチャットに過去の写真を上げただけなのに、大げさだ」とは言えないのが現状です。
SNS以外にも、グループチャットなどに上げた過去の写真が悪用されるリスクはある、ということを、子ども達に伝えていくことが大切です。
自分以外の写真は、写っている人に肖像権などの権利が存在します。本人の許可なく投稿することは、その人の権利を侵害する行為になり得ます。
SNSではもちろん、グループチャット内であっても、誰かの写真をインターネット上に公開するときは、必ず本人の許可が必要です。
これを機に、子どもたちのグループチャットの使い方を知る機会を設けてみてはいかがでしょうか。