昨年の11月に、NHKのクローズアップ現代で放送された記事を紹介致します。
NHK クローズアップ現代:追跡 SNS性犯罪 悪質な“グルーミング”の手口とは… https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0026/topic034.html |
NHK クローズアップ現代:“SNS性被害をひと事と思わないで” 被害者の思い https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0026/topic039.html |
上記2つの記事は、下記のNHKサイト「for School」で週1回更新されるページの記事です。
NHK クローズアップ現代:性暴力”を考える https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0026/topic039.html |
過去の記事を見ていただくとわかる通り、年齢(小中高大生)や性別、国籍に関係なく被害者になる危険性はあります。
また、警察庁の発表では、2020年の「子供の性被害」数は次の通りです。
警察庁:子供の性被害(児童の性的搾取等) ※PDFページ https://www.npa.go.jp/policy_area/no_cp/uploads/kodomonoseihigair3.pdf |
2020年は前年よりは減少していますが、コロナ禍の2020年はコロナ禍前の2019年までの傾向とは変わっている点もあると考えられます。それでも、大きく減少していない状況ということは、コロナ禍で無ければ増加傾向が続いていた可能性もあります。
話を、「NHK クローズアップ現代」の記事に戻します。
1つ目の記事には、「悪質な“グルーミング”の手口」ということで、架空のアカウントを作成し取材した「性犯罪の手口」を紹介しています。
簡単にまとめると次の2つのケースがあります。
1.「友達がほしい」というような、SNS上で人間関係を求めるような言葉を投稿するとすぐに「性犯罪」の魔の手が伸びてくる。相手からのメッセージを放置すると、相手からまくし立てたメッセージが来て、返事をしなかったことが「悪いこと」のように感じてしまう。 |
2.時間をかけて信頼関係を築き、態度を一変させるケースもある。
a.こちらを気遣う言葉や、共感に繋がる言葉を定期的に送ってきて信頼関係を築いてくる |
他の記事では、次のようなケースもあります。
・「2-a」:相手は年齢や趣味、顔写真等を【嘘で固めて】信頼関係を築こうとしてくる
・「2-b」:個人情報(顔写真や名前、学校名等)を送ってしまうと、それから急変して脅してくる
これは、性犯罪だけではなく、薬物犯罪や特殊詐欺に巻き込まれるケースでも悪用されています。
2つ目の記事は、「被害者の思い」ということで、被害者へのインタビュー記事になっています。
記事には、次のような手口が紹介されています。
・2人の関係を「恋愛」だと思い込ませることで、性行為を行う
また、被害者心理としては次のような感情があったと紹介されています。
・「被害に遭ったと思いたくない…」 14歳の複雑な感情
この記事には、被害者のその後の心理的な影響等も記載されています。
被害に遭わないことも重要ですが、被害に遭った際に、周りの大人達がどのように対応していくのかも重要です。
では、「被害に遭わないようにするためには」を紹介します。
① ネット上だけの知り合いを信用しすぎない
ネット上ではいくらでも嘘をつけますし、演じられます。話している内容が本当かはわかりません。 ② 個人情報を送らない 個人情報を送ってしまうと、脅してきて徐々にエスカレートします。 ③ SNS上に人間関係を求める発言は投稿しない その時の心情等で発言してしまうこともありますし、人間関係を求める発言を投稿しなくても危険に巻き込まれるケースもあります。 ④ 実際に会って話した事がない人からのDMには返信しない ネット上だけの知り合いも、オープンな場所だけで話をし、クローズドな場所では話をしないことが重要です。 ⑤裸の写真は送付しない そのような画像は、無断転載で他のサイトで利用されることもありますし、販売される危険性もあります。 ⑥ネット上だけの知り合いには会わない ネット上だけの知り合いに実際に会うのは、性被害以外にも危険性があります。 |
チャイルドグルーミングの被害に遭わないためには、上記のような注意点を再度周知していただく必要があります。
チャイルドグルーミングは、非常に巧妙な手口の犯罪です。
子どもたちにとっては、「安心」「信頼」できる相手を演じてきます。
しかも、犯罪を受けたその時だけではなく、その後も心理的に大きな影響を残してしまいます。
SNSが発展し、誰でもグルーミングの被害を受ける危険性があります。
また、日本は法整備も他国に比べて遅れています。そのため、誰でも犯罪意識がなくグルーミングの加害者になる危険性もあります。
まずは、子どもたちの身を守るためにも、危険性や対策の周知は重要です。
※なお Web サイトについては、2022年1月11日に掲載されているものを参照しています。