インプレッション数とは、投稿がユーザーに表示された数です。
投稿をタッチした場合や、アカウントの詳細を閲覧した場合、いいねやリポストなどの行動もインプレッション数として計算されます。
Xを利用している人は誰でも自分の投稿のインプレッション数を確認できます。
自分の投稿がどのくらいの人に見られたのか効果を測定するものです。
多くの人が投稿している単語は「トレンド」として表示されます。
「トレンド」はいま多くの人が話題にしている言葉がわかる機能で、「トレンド」に入る単語は多くの人が目にする可能性が高まります。
そのため、「トレンド」に入っている単語を脈絡なく羅列する投稿をしてインプレッション数を稼ごうとします。
リポスト数やいいね数が多い話題の投稿をそのまま真似することでインプレッション数を稼ごうとします。
2024年1月に発生した能登半島地震では、助けを求める投稿をインプレッション数を増やす目的で真似、または捏造をして情報が錯綜してしまいました。
こうした投稿を閲覧した善意のユーザーたちが消防に連絡を入れ、現場が混乱してしまうというトラブルも現地で発生しました。
リポスト数やいいね数が多い話題の投稿に返信することでインプレッション数を稼ごうとします。
インプレゾンビがわき始めた当初は意味のない言葉や絵文字を大量に返信していました。
ですが、最近では返信のなかでも注目度の高い返信を真似して返信したり、ChatGPTのようなAIが考えた文章を返信することでより注目度を集めようとする傾向にあります。
ためになる返信や的を得たように感じる返信でも、他人の真似やAIが書いた文章である可能性があります。
インプレゾンビが出現した背景には2023年7月に始まったXの収益化プログラム変更にあります。
変更にあたり、課金してサブスクリプションに登録するなどの一定の条件を満たしたユーザーは収益化プログラムが利用できるようになりました。
収益化プログラムはインプレッション数に応じてお金が支払われる仕組みです。
インプレゾンビはこの収益化プログラムを利用し、自分の投稿に注目を集めてお金を得ることを目的としています。
インプレッション数による収益はドルで支払われます。
インプレッション数による収益はそこまで大きくないようですが、平均月収が低い国では相対的に大きい額を外資で手に入れられるとして儲かる手段になっているようです。
そのため、インプレゾンビの使う言葉は不自然な日本語や外国語が多い傾向にあります。
アカウント名の横に青いチェックマーク(認証マーク)がついているユーザーは課金ユーザーであり、インプレッション数に応じた収益がもらえます。
ですが、この認証マークはインプレッション数目当て以外で使っているユーザーが多い上に、認証マークを消すこともできるため、あまりあてにはなりません。
ですが、一つの指標として使うには有効でしょう。
同じ単語を繰り返していたり、意味の通らない投稿を行っている場合はインプレゾンビの可能性が高まります。
インプレゾンビは大量に返信や投稿をするという特徴もあるため、不自然であると感じたら疑うようにしましょう。
英語やアラビア文字などの外国語の名前やプロフィールで、日本語の投稿をしている場合はインプレゾンビかもしれません。
また、日本語の投稿に対して短い外国語や絵文字だけで返信している場合もインプレゾンビの可能性が高まります。
インプレゾンビはいまや話題の投稿の返信をみたり、「トレンド」を検索したら簡単にみつかるほど多く発生しています。
ブロックやミュートをしても数が膨大なため、どんなに対応しても、完全に表示させないようにするということは困難です。基本的には放置することしかできません。
ですが、二次被害を防ぐことはできます。
リポストしたいと感じた投稿であっても、すぐにリポストするのではなく、一度立ち止まって考えるようにしてください。
本人が投稿している内容なのか、本当の情報なのか、一度考えてみてください。
ひとりひとりが誤った情報や真似した情報を見抜いて拡散しないことが大切です。
インプレゾンビに関わらず、一度自分の頭で考えてみて、情報を精査することがSNS時代を生きていく上で大切な能力になります。
インプレゾンビは他人の投稿の真似や虚偽の投稿、意味の通らない投稿をインプレッション数目当てで繰り返しています。
そうした投稿の中には、人々を混乱させるようなデマ情報なども含まれることがあるため、そんな投稿を拡散しないようにするなど、ひとりひとりのモラルが情報空間の汚染を防ぎます。
常に情報が正しいのか、誰が発信しているのかを意識するようにしてSNSを楽しみましょう。