Z世代(1990年後半から2000年代に生まれた人)の写真投稿傾向が、ここ数年変わってきているようです。
昨年からは、「顔を隠して投稿する数」が「顔を出したまま投稿する数」を上回ってきているようです。その「顔を隠す」ためのアプリも流行っている状況です。
また、「顔を隠す」のは「自分の顔を隠す」だけではなく「一緒に写っている友だちの顔を隠す」という傾向も多いようです。
その背景としては、「顔を出したまま投稿することでの人間関係トラブルの防止」が目的です。
「写真投稿から遭う危険性」から自分を守るという視点では、「顔を隠して投稿する」ことは有効です。
しかし、流行はいつか終わる可能性もあります。トラブル防止に向けて、この流行が続いてくれることを期待します。
次項では、「顔」以外の危険性について紹介させていただきます。
SNSへ投稿された写真から個人情報が漏れる危険性は下記のとおりです。
1.写っている物から個人情報が特定される
①住所や氏名、電話番号等の特定できる情報が写り込んでいる
2.投稿された写真のデジタル情報から個人情報が特定される ①写真についているExif情報(撮った写真に自動でついてくる写真の情報を残したまま投稿している
3.SNSの機能から個人情報が特定される ①SNSを投稿位置情報をONにしたまま利用している |
1-①については、1枚の写真でも個人が特定されたり、個人情報が漏れる危険性があります。
1-②や2、3については、1枚の写真では特定される危険性は少ないですが、複数の投稿により特定される危険性があります。
同じエリアでの写真や投稿が多ければ、その付近が生活圏ということがわかってしまいます。裏を返せば、生活圏から離れているところの写真が多ければ、生活圏が判明しづらいということになります。
投稿する前に写真を確認し、個人情報が写り込んでいる場合は投稿を避けたり、個人情報が写っている箇所をスタンプ等で消すようにしていただくと安心です。
2-①に記載されている「Exif情報」には、次のような情報が載っています。
・撮影位置情報(GPS機能がついた機器での撮影時) ・撮影日時 ・撮影機器名 ・カメラ機能設定 ・画像解像度 ・サムネイル |
特に、「位置情報」や「撮影日時」等の情報は、流出すると撮影場所が判明しますので、危険が伴います。こちらもモザイクアプローチに繋がります。
「Exif情報」というのは有名なSNSでは、投稿時に自動で削除されるようになっています。しかし、開始されたばかりのSNSでは、自動削除機能がない場合があります。
「Exif情報」を消すアプリ等もありますので、投稿前には「Exif情報」を消す癖をつけておけば安心です。
3-①は、SNSアプリの設定です。
投稿の位置情報をONにして利用をすると、投稿に位置情報が載ってしまいます。
そこから生活圏が判明してしまい、モザイクアプローチも簡単にできるようになる危険性があります。
SNSアプリの設定から位置情報をOFFにすれば安心です。
投稿写真の傾向が変わってきているという事実はありますが、SNSの特徴は拡散性にあります。一つの投稿が世界中の公開に繋がります。
また、短時間で拡散されます。
クローズドなSNSへの投稿でも、それを見られる人から拡散される危険性もありますし、投稿した後にすぐに確認しても既に拡散されているケースもあります。
SNSを利用する際には「位置情報の項目をOFFにする」、写真を投稿する前には「個人情報の映り込みを消す」「Exif情報を消す」ということを、子どもたちには再度周知してください。